小津産業は100%子会社の家庭紙卸、アズフィットの株式80%を、センコーグループホールディングスに譲渡する。これにより、アズフィットは小津産業の「持分法適用関連会社」となり、アズフィット100%子会社の芙蓉流通は小津産業の「その他の関係会社」となる。譲渡時期は1月の予定。
「紙と不織布」の製造商社として事業展開する小津グループの中で、アズフィットは首都圏を中心としたドラッグストア、スーパーマーケット、ホームセンター、ビル管理会社に、家庭紙・日用雑貨を販売している。一方、センコーグループでは、アズフィットと同じ家庭紙卸のアストが、家庭・業務用の紙製品を全国販売している。
家庭紙卸売業界では、物流費の高騰や業者間の競争激化、多品種小ロット納品などの多様化する顧客ニーズと、卸売業が抱える課題が増大している。厳しくなる市場環境の中で、事業基盤をより強固なものにするため、小津産業はセンコーへの株式譲渡を決めた。アズフィットは今後、総合物流企業のセンコー傘下で流通機能を高め、アストとともに互いの経営資源を有効活用して相乗効果を発揮し、家庭紙卸事業の強化を図る。また小津産業は、引き続き20%出資者としてアズフィットの成長を推進していくとともに、マスクやWETなどの不織布製品を、アズフィットおよびセンコーに供給する。
コロナ禍の中、小津グループは、ディプロの除菌ウェット製品、エンビロテックジャパンの過酢酸製剤(除菌用途)、小津産業とアズフィットのマスクなど、不織布関連を中心に多くの高機能製品を市場に供給してきた。今後は、紙と不織布の技術力を基盤に、製造機能を拡充した商社として収益向上を目指す考えで、家庭紙卸業についてはセンコーとの協業によって強化しつつ、不織布事業の高機能・高付加価値製品を拡充するため、新規事業開発・製造力を強化していく。
株式会社 紙業タイムス社 「Future1/18号」より