王子グループの王子エフテックスは、主に電動車のモーター駆動制御用インバーターユニットのコンデンサに使用される二軸延伸ポリプロピレンフィルム(=OPP)の生産設備を滋賀工場に新設し、生産能力を現行比2.3倍にする。稼働開始は2024年の予定。
同社はすでに昨春、2023年の稼働開始予定で同設備の新設を発表しているが、その後も脱炭素化の動きは加速し、昨秋のCOP26では、「主要市場で35年までに(世界全体では40年までに)販売されるすべての新車を、電気自動車などのゼロエミッション車とすることを目指す」との共同声明が発表された。これを受けて主要国の電動車シフトはいっそう進み、コンデンサ用OPPの需要も拡大が見込まれることから、同社は昨春時点では現行比1.6倍としていた生産規模を2.3倍に拡大するもの。
電動車の車載部品は小型化・軽量化が要求され、コンデンサ用OPPについては、常に薄膜化が求められている。王子エフテックスは40年以上コンデンサ用OPPを生産しており、19年には当時世界最薄レベルとなる2.0μmOPPの営業生産を開始するなど、薄膜化と絶縁性を高いレベルで両立する生産技術と供給能力を持つ。
株式会社 紙業タイムス社 「Future3/21号」より