=紙パの第3四半期⑤=
前号に続き、紙パルプ関連会社の2022年3月期第3四半期(21年4~12月)決算を紹介する。以下、連結ベース、単位100万円、%表記は対前年同期比、〈 〉内は前年同期の実績値。
【紙加工】
■スーパーバッグ
〔第3四半期〕
売上高 19,605 (△3.9%)
営業益 △287 〈37〉
経常益 △271 〈38〉
当期益 △249 〈△150〉
〔通期予想〕
売上高 25,700 (△2.1%)
営業益 △400 〈△137〉
経常益 △400 〈△150〉
当期益 △420 〈△383〉
○紙製品事業…売上高8,442百万円(前年同期比+787百万円)、セグメント利益315百万円(同+309百万円)。角底袋、手提袋、紙器の販売量・金額が増加。
○化成品事業…売上高5,944百万円(同△1,830百万円)、セグメント損失△238百万円(同△637百万円)。レジ袋有料化の影響に加えてグループ会社の操業停止もあり、レジ袋、ポリ手提袋、ポリ宅配袋の販売量・金額が減少した。
○その他事業…売上高5,218百万円(同+241百万円)、セグメント利益101百万円(同△43百万円)。
通期予想は21年5月公表の業績予想を修正した。修正額(単位100万円)は、売上高△1,700、営業益△260、経常益△260、当期益△260。レジ袋消費量の回復が想定を下回ったこと、グループ会社の操業停止、原材料価格の上昇などにより下方修正した。当期益については、特別利益として国内外子会社の固定資産売却益402百万円を計上した一方、特別損失として、海外子会社の操業停止に伴う人員削減に係る特別退職金406百万円を計上したほか、4Qに希望退職者募集で発生する特別加算金等の費用74百万円を織り込んだ。
=紙パの2021年12月期=
紙パ関連12月決算企業の2021年12月期(2021年1~12月)決算を紹介する。以下、連結ベース、単位100万円、%表記は前年比。
■コクヨ
〔2021年12月期〕
売上高 320,170 (+6.5%)
営業益 20,004 (+35.1%)
経常益 16,415 (+15.8%)
当期益 13,703 (+65.2%)
〔2022年12月期予想〕
売上高 307,000 (+4.9%)
営業益 20,800 (+4.5%)
経常益 22,200 (+35.2%)
当期益 15,900 (+16.0%)
販管費支出の効率化や人員などの見直しを進めた結果、売上高販管費率は29.9%となり改善が継続。経常利益は、持分法適用関連会社のぺんてるにかかる減損損失50億円を営業外損失に計上したため、営業利益より増益幅が小さくなっている。当期純利益の大幅増益は、2Qで投資有価証券売却益35億円、4Qで固定資産売却益25億円を計上したことなどが寄与。
○空間価値ドメイン(オフィス家具など)…売上高+8.5%、営業利益+34.2%。コロナ対策の相談対応やオフィスのリニューアル需要取込み、差別化されたソリューション提案が進捗し、過去最高水準で推移。アクタスも好調。
○ビジネスサプライドメイン(オフィス用品通販のカウネット、B to Bサプライ)…売上高+2.2%、営業利益△0.3%。流通基盤の統合や最適販売体制の構築を図るマイグレーションが進捗し収益が改善。
○グローバルステーショナリードメイン(国内・海外文具)…売上高+2.6%、営業利益+29.0%。国内事業はBtoC市場でのシェア拡大、付加価値の高い学び商材の販売強化に取り組んだ。海外事業は、中国で女子中高生をターゲットとした文具が好調。国内事業での販管費支出効率化や海外事業の成長によって、営業利益はコロナ前の2019年を上回った。
■ザ・パック
〔2021年12月期〕
売上高 80,177 (+2.2%)
営業益 4,144 (+26.6%)
経常益 4,422 (+22.6%)
当期益 2,824 (+18.1%)
〔2022年12月期予想〕
売上高 83,000
営業益 4,700
経常益 5,000
当期益 3,500
○紙加工品事業…売上高+8.0%、営業利益+26.7%。紙袋は、国内販売で回復が進みつつあり、海外も中国と米国の子会社が好調に推移し、売上高は+2.6%。紙器売上高は、テイクアウト用食品パッケージが好調で、また中国子会社もメーカー向けが好調に推移し、+13.1%。段ボール売上高はメーカーやEC市場向けが好調で+11.5%、印刷売上高は+3.9%。
○化成品事業…売上高△17.1%、営業利益△22.4%。紙おむつ用製品や国内専門店向けが減少したほか、レジ袋有料化が影響した。
○その他…売上高は西日本印刷工業や中国子会社の売上げが減少し△0.7%、営業利益は物流費の改善もあり+17.9%。
2022年12月期予想については、22年12月期の期首から「収益認識に関する会計基準」等を適用するため、前年比は記載していない。
■ダイナパック
〔2021年12月期〕
売上高 56,300 (+7.7%)
営業益 1,217 (+67.8%)
経常益 1,997 (+87.6%)
当期益 1,395 (+49.4%)
〔2022年12月期予想〕
未定
段ボールケースの国内販売量は、輸出が好調だった電機・機械向けや外出自粛で需要が増えた通販向けが牽引して+3.4%。段ボールシートの国内販売量はボックスメーカーからの需要回復により+4.3%。収益面は、販売量の増加に加えて印刷紙器事業の業績が回復したことや、生産性の改善などにより増益。海外事業は、販売は比較的堅調だったものの、主原材料価格上昇の先行負担や、感染急拡大で生産活動に制約を受けた影響で、収益的には厳しい状況で推移。
○包装材関連事業…売上高+7.6%、セグメント利益+72.4%。
○不動産賃貸事業…売上高△5.7%、セグメント利益△7.8%。
2022年12月期予想は、現時点では適正かつ合理的な業績予想の算定が難しいため未定とした。
■古林紙工
〔2021年12月期〕
売上高 16,147 (△3.9%)
営業益 170 (△70.1%)
経常益 185 (△69.0%)
当期益 136 (約11.3倍)
〔2022年12月期予想〕
売上高 16,500 (+2.2%)
営業益 350 (+106.3%)
経常益 350 (+89.1%)
当期益 200 (+47.1%)
○日本…売上高△2.4%、セグメント利益△47.2%。総じて新型コロナの影響が前2Qから現在に至るまで及んでいる。
○中国…売上高は、古林紙工(上海)を前年度末に連結除外したことが影響し△9.5%。セグメント利益は、上海古林国際印務有限公司の移転に関わる費用の増加などにより△98.8%。
株式会社 紙業タイムス社 「Future3/21号」より