リンテックは、ポリエチレンラミネート加工をせずに高平滑性を実現したグラシン紙ベースの剥離紙を新たに開発し、この剥離紙を使用したラベル素材2アイテムを5月9日から発売する。これによりプラスチック使用量の削減につなげる。
ラベルの裏側に台紙として貼り合わされている剥離紙は、ベースとなる紙にシリコーンと呼ばれる剥離剤を塗工することで、粘着剤面からきれいに剥がせるようになっている。そのため、粘着剤の種類や用途に応じた剥離力はもちろん、印刷・抜き加工に対応するための厚みや強度、手作業または機械貼りに応じた性能などが求められる。
また、グラシン紙に剥離剤を直接塗工した剥離紙は、紙の表面の凹凸が粘着剤面に転写され、表面基材にフィルムを使用したラベルの場合、透明性や意匠性が損なわれることがある。それを防ぐため、紙の表面にポリエチレンをラミネートして高平滑性を付与するのが一般的だった。しかしリンテックが新開発した剥離紙は、ポリエチレンを使用せずに高平滑性を実現した。独自のコーティング加工によってポリエチレンラミネート加工した剥離紙と同程度の平滑性を実現し、また、ラベルを自動貼りするラベリングマシンに適した強度と光透過性も備えている。
リンテックは、この剥離紙を使用した透明タイプと蒸着タイプのラベル素材2アイテムを発売する。表面基材には使用済ペットボトルを原料にして作られた再生PETフィルムを使用。再生PET樹脂を80%以上使用しながら、非再生PETフィルムベースと同程度の物性を実現した。同社では、外観が重視される化粧品や日用品などのアイキャッチラベルや表示用ラベル向けに提案を強化していく。
株式会社 紙業タイムス社 「Future5/9号」より