日本製紙連合会は、3月のパルプ・パルプ材速報と2月の古紙需給統計を発表した（％表記は特に記載がない限り、正体が前年同月比、斜体が2020年同月比）。
■パルプ速報（3月）
　製紙パルプ生産量は68.7万t、＋3.2％（△4.7％）で2ヵ月連続の増加となった。このうちBKPは＋2.4％（△7.4％）の54.7万tで2ヵ月連続の増加、UKPは＋13.1％（＋15.0％）の9.9万tで13ヵ月連続の増加。
　製紙パルプ販売は＋21.8％（＋22.3％）の10.0万tで19ヵ月連続の増加。このうちBKPは＋16.8％の7.2万tで18ヵ月連続の増加。UKPは＋38.6％の2.6万tで2ヵ月連続の増加。
　在庫は前月比△7.7％の12.2万tで3ヵ月ぶりの減少、前年同月比は△11.8％で14ヵ月連続の減少、20年同月比は△33.3％。このうちBKPは前月比△8.7％の8.7万tで3ヵ月ぶりの減少、前年同月比は△11.3％で14ヵ月連続の前年割れ。UKPは前月比△6.6％の2.8万tで2ヵ月連続の減少、前年同月比は△14.4％で13ヵ月ぶりの減少。
■パルプ材速報（3月）
　パルプ材消費は、パルプの生産増を受けて＋3.4％（△3.5％）の130.5万tとなり2ヵ月連続の増加。数量的にも昨年の10月以来5ヵ月ぶりに130万t台に乗せ、2019年平均値に近い水準まで回復した。うち針葉樹は＋7.4％（＋2.6％）の40.3万tで3ヵ月ぶりの増加、広葉樹は＋1.7％（△6.0％）の90.2万tで2ヵ月連続の増加。いずれも2019年平均値に近い水準となっている。
　集荷は＋3.9％の138.8万tで3ヵ月ぶりに増加、昨年の10月以来5ヵ月ぶりに130万t台に乗せた。このうち、国産は△4.3％の35.1万tで4ヵ月連続の減少。20年比も△8.2％とマイナスだったが、3ヵ月ぶりに30万t台に戻した。国産の内訳は、針葉樹が△2.7％の26.9万t、広葉樹が△9.1％の8.2万t。輸入は＋7.1％の103.7万tで3ヵ月ぶりの増加。20年比でも＋7.8％となり、19年8月以来の100万tを超える高水準となった。輸入の内訳は、針葉樹が＋41.1％の17.8万t、広葉樹が＋2.0％の86.0万t。
　在庫は前月比＋7.6％の120.7万tで4ヵ月ぶりの増加。前年同月比は△15.2％で21ヵ月連続の減少、20年同月比は△24.8％と前月よりは回復したもののマイナス幅は大きい。維持月数は前月から上昇して1.0ヵ月となった。
■古紙需給（2月）
　古紙入荷は△2.2％の118.6万tで4ヵ月ぶりの減少。内訳は、段ボール古紙が△0.3％の69.3万tで18ヵ月ぶりの減少となったほか、新聞古紙（△9.5％、16.8万t）と雑誌古紙（△4.6％、16,4万t）も減少、一方、上級古紙（＋0.8％、12.5万t）はわずかながら増加した。
　消費は、＋0.2％（△2.6％）の124.8万tで3ヵ月連続の増加。品種別では、段ボール古紙が＋1.7％（＋6.4％）の72.4万t、新聞古紙が△1.0％（△18.0％）の18.5万t、雑誌古紙が△2.1％（△3.0％）の18.0万t、上級古紙が△2.6％（△15.3％）の12.5万t。
　在庫は50.2万tで前月比△11.0％、前年同月比△12.8％と、依然低水準。輸出は△10.9％の15.6万tで17ヵ月連続の減少。ベトナム、台湾が主な輸出先となっている。
 

株式会社　紙業タイムス社　「Future5/23号」より