三菱製紙は、針葉樹を原料とする晒クラフトパルプ(NBKP)を、グループ会社の北上ハイテクペーパー(岩手県北上市)で製造販売することを決めた。8月を目途に生産を開始し、10月から販売する予定。三菱製紙は現在、グラフィック用紙の需要減少に対応するため、紙から素材への構造改革に取り組んでいる。
三菱製紙グループの北上ハイテクペーパーはかねて、地元岩手県産材を中心とする国産広葉樹100%を原料に、高品質な晒クラフトパルプ(LBKP)を生産、販売してきた。この品揃えを拡充して外販パルプを増やすため、既存パルプ製造設備を改造し、新たに国産針葉樹100%を原料とする高品質NBKPの生産も開始するもの。生産量は、自家使用も含めたLBKPとNBKPの総量で約8万1,000t/年となる。
原料の木材は、建築用に適さない曲がり材、細材、間伐材または建築用端材を使用し、地元国産材100%とすることで、森林資源の有効活用と地元林業の活性化につなげていく。
株式会社 紙業タイムス社 「Future6/20号」より