=紙パの第1四半期③=
前号に続き、紙パ関連各社の2023年3月期第1四半期(22年4~6月)決算を紹介する。以下、連結ベース、単位100万円、%表記は特に記載がない限り対前年同期比、〈 〉内は前年同期の実績値。
【紙流通】
■日本紙パルプ商事
〔第1四半期〕
売上収益125,751 (+23.0%)
営業益 4,044 (+31.5%)
経常益 4,479 (+33.3%)
当期益 13,888 (+114.2%)
〔通期予想〕
営業益 13,500 (△4.0%)
経常益 14,000 (△7.0%)
当期益 19,500 (+69.6%)
東京都中央区に所有する固定資産の一部(4ヵ所)を売却し、売却益約167億円を特別利益に計上したことにより、当期益は大幅増益。
○国内卸売…売上収益+4.2%、経常利益+19.2%。紙の販売量は増加したが、板紙と電子部品関連機能材は減少。価格修正により増収となった。利益は、人件費などの販管費減少もあり増益。
○海外卸売…売上収益+45.3%、経常利益+309.4%。販売量の増加と販売価格の上昇により増収。利益は特に米国と英国で大幅増益。
○製紙加工…売上収益+6.6%、経常利益は原燃料高により△23.0%。
○環境原材料…売上収益+32.4%、経常利益+27.7%。
○不動産賃貸…売上収益△4.5%、経常利益△49.2%。
通期予想は、前記した固定資産売却益の計上に伴い、5月に公表した業績予想から当期益を上方修正している。修正額は+11,000百万円。
■国際紙パルプ商事
〔第1四半期〕
売上高 154,845 (+19.4%)
営業益 5,339 (+244.1%)
経常益 4,818 (+168.1%)
当期益 3,848 (+172.5%)
〔通期予想〕
売上高 590,000 (+4.7%)
営業益 12,000 (+27.9%)
経常益 9,400 (+6.3%)
当期益 7,500 (±0.0%)
○国内拠点紙パルプ等卸売事業…売上高+9.2%、営業利益+41.6%。紙は、販売量は前年割れとなったが売上高は横ばい。板紙は増収。古紙およびパルプは販売量・売上高ともに大幅増。
○海外拠点紙パルプ等卸売事業…売上高+28.5%、営業利益+326.5%。海外売上高比率は56.9%となった。欧州は業績を維持。東南アジアは売上高・営業利益ともに横ばい。中国は販売量・売上高ともに前年割れ。
○不動産賃貸事業…売上高△0.9%、営業利益+15.6%。
通期予想は5月公表の業績予想から変更なし。
■共同紙販ホールディングス
〔第1四半期〕
売上高 4,026(+22.9%)
営業益 1〈△12〉
経常益 22〈0〉
当期益 12〈△8〉
〔通期予想〕
売上高 16,000(+13.6%)
営業益 80 (20倍)
経常益 100 (+626.7%)
当期益 60 (△65.1%)
4月1日付で連結子会社を吸収合併し、板紙や産業用紙分野の販売拡大に取り組んだ。セグメント別の売上高は、洋紙卸売事業が+22.8%(4,001百万円)、物流事業が+2.1%(71百万円)、不動産賃貸事業が+40.8%(27百万円)。
通期予想は5月公表の業績予想から変更なし。
■平和紙業
〔第1四半期〕
売上高 3,729 (+1.7%)
営業益 △24 〈△19〉
経常益 △2 〈△9〉
当期益 780 〈△13〉
〔通期予想〕
売上高 17,000 (+8.8%)
営業益 72 (△55.5%)
経常益 130 (△2.7%)
当期益 874 (+901.6%)
需要の回復はあるものの、デジタルシフトに伴う需要減少などによりコロナ禍以前の水準までは回復しなかった。固定資産売却に伴い特別利益11億33百万円を計上。
○和洋紙卸売業…売上高+2.0%、営業損失△25百万円(前年同期比+1百万円)。ファンシーペーパーは紙製品や製袋用途が増加し、売上高は+4.3%。ファインボードは高級パッケージ向けが徐々に回復し売上高は+5.2%。高級印刷紙は紙製品や製袋用途が増加し売上高+2.9%。ベーシックペーパーは商業印刷、出版、紙製品用途が減少し売上高は△6.9%。技術紙は耐水撥水性機能紙、各種工業品製造用工程紙が減少し売上高は△4.3%。その他(家庭紙、紙加工品、製紙関連資材等)は売上高+19.7%。
○不動産賃貸業…売上高△46.7%、営業利益△47.5%。
通期予想は5月公表の業績予想から変更なし。
■セキ
〔第1四半期〕
売上高 2,652 (+2.7%)
営業益 22 〈△24〉
経常益 81 (+48.1%)
当期益 59 (+56.2%)
〔通期予想〕
売上高 11,470 (+2.7%)
営業益 240 (+26.6%)
経常益 382 (△9.6%)
当期益 257 (△20.7%)
○印刷関連事業…売上高+2.2%、営業利益+242.0%。BPO事業の推進やデジタルマーケティング分野の強化により増収増益。
○洋紙・板紙販売関連事業…売上高+0.8%、営業損失△7百万円(前年同期比+2百万円)。印刷事業者からの用紙受注は回復傾向。
○出版・広告代理関連事業…売上高+16.5%、営業損失△26百万円(前年同期比+4百万円)。
○美術館関連事業…売上高+16.0%、営業損失△4百万円(前年同期比+1百万円)。
○カタログ販売関連事業…売上高△1.7%、営業利益+78.5%。
通期予想は5月公表の業績予想から変更なし。
株式会社 紙業タイムス社 「Future9/12号」より