日本出版販売（＝日販）は、2022～23年の年末年始の売上動向調査の結果を発表した。調査期間は22年12月29日～23年1月3日の6日間で、調査対象は売上データが取得できている1,418店。
　それによると、期間内の売上前年比は雑誌、書籍、コミック、開発品いずれも前年割れとなり、合計で95.6％。売上動向を店舗の立地別に見ると、駅前・駅中が98.1％で、ロードサイド（94.8％）やインショップ（95.4％）に比べてやや良好。3年ぶりに行動制限のない年末年始となり、帰省や旅行で公共交通機関の利用者が増加したことが影響したと推測される。
【雑誌】売上前年比99.1％（前年は93.8％）。前年比99.3％のムックは、『どうする家康 前編』（NHK出版）が、前年の『鎌倉殿の13人 前編』（同）より値上げしたうえ、売上冊数も約20％増となったことが、ムック全体の売上を牽引した。
【書籍】売上前年比94.7％（前年99.0％）。全ジャンルで前年割れとなった。単品の売れ筋作品としては、ゲームソフト攻略本『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット 公式ガイドブック 完全ストーリー攻略』（オーバーラップ）や、TV番組で紹介された『変な絵』（双葉社）、「最強王図鑑」シリーズの最新作『最強王キャラ図鑑』（Gakken）などが好調だった。
【コミック】売上前年比93.7％（前年84.5％）。雑誌・開発品扱いコミックが苦戦した一方、映画が好調の『THE FIRST SLAM DUNK re:SOURCE』（集英社）が売上を伸ばし、書籍扱いコミックは159.3％の大幅伸長。
【開発品】売上前年比99.6％（前年98.4％）。売上上位10作品にランクインしたカレンダーのうち2点は、売上冊数は減ったものの、値上げにより売上金額は増加した。
　カテゴリー別の売上げベスト3は次の通り。
■一般書（文庫・新書を除く書籍）…①『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット 公式ガイドブック 完全ストーリー攻略』　②『変な絵』　③『No.63 3年卓上日誌（茶）』（高橋書店）
■文庫･新書…①『小説 すずめの戸締まり』（KADOKAWA）　②『かがみの孤城 上』（ポプラ社）　③『希望の糸』（講談社）
■ムック…①『どうする家康 前編』　②『日経エンタテインメント！乃木坂46 Special 2023』（日経BP）　③『JOJO magazine 2022 WINTER』（集英社）
■コミック…①『THE FIRST SLAM DUNK re:SOURCE』　②『呪術廻戦 21』（集英社）　③『文豪ストレイドッグス 23』（KADOKAWA）
 

株式会社　紙業タイムス社　「Future2/6号」より