＝2023年5月期決算＝
　岡山製紙と小津産業は、2023年5月期決算（22年6月～23年5月）を発表した。以下、単位100万円、％表記は対前年度比。
■岡山製紙（非連結）
〔2023年5月期〕
　売上高    10,870    （＋7.8％）
　営業益    613    （△10.7％）
　経常益    693    （△8.2％）
　当期益    494    （△16.3％）
〔2024年5月期予想〕
　売上高    11,000    （＋1.2％）
　営業益    720     （＋17.3％）
　経常益    800    （＋15.4％）
　当期益    560    （＋13.1％）
　年前半は段ボール原紙を中心とした板紙の需要に持ち直しの動きが見られたが、後半は物価高騰に伴う景気減速で主力の段ボール原紙ほか板紙の国内販売量は減少した。また、LNGなど原燃料の価格高騰に対応するため、価格改定の浸透に努めた。
○板紙事業…売上高＋8.8％、セグメント利益△5.5％。販売量は△4.5％と減少したが、価格改定により増収となった。利益は原燃料価格の高騰で減益。
○美粧段ボール事業…売上高＋1.1％、セグメント損失△47百万円（前年度比△35百万円）。主力の青果物向けが比較的堅調で、インクジェットプリンター品の販売も拡大しているものの、通信機器関連品の減速もあり売上高は微増にとどまった。損益は原燃料・諸資材の価格上昇に製品価格改定が追い付かず、損失計上となった。
　2024年5月期は、従来に増して需要に見合った生産体制の構築とコスト低減、営業面では適正価格の維持と新規取引先の開拓、人事面では定着率の向上と教育研修の充実に取り組む。
■小津産業
〔2023年5月期〕
　売上高    10,368    （△1.8％）
　営業益    458    （△24.1％）
　経常益    590    （△16.7％）
　当期益    383    （△31.1％）
〔2024年5月期予想〕
　売上高    10,000    （△3.6％）
　営業益    470    （＋2.4％）
　経常益    550    （△6.8％）
　当期益    380    （△1.0％）
○不織布事業…売上高△1.7％、セグメント利益△25.7％。エレクトロニクス分野はテレワーク需要の収束、中国経済の混乱、半導体不足により国内販売が伸び悩み、海外も下期以降、工場稼働率が低下したため、売上高、利益面ともに微減。メディカル分野はマスク需要が減少し売上高、利益ともに微減。コスメティック分野は国内、東アジア向けともに低調で減収減益。除染関連は採用実績がなく減収減益。グループ各社の状況は、小津（上海）貿易有限公司は増収減益、ウエットティシュのディプロは増収増益、アグリ分野の日本プラントシーダーは減収減益。
○その他の事業（除菌関連、不動産賃貸）…売上高△3.8％、セグメント利益△7.9％。
　2024年5月期は、営業力強化など、戦略性を優先した予算運営を実施する。不織布事業は車載用電子部品、燃料電池分野へのアプローチを強化するほか、食品分野の拡販を推進する。海外でも製品の拡充を図り、新販路の開拓を進める。
 

株式会社　紙業タイムス社　「Future8/7号」より