特種東海製紙グループの十山/井川蒸留所は、特種東海製紙社有地の南アルプス井川山林内、標高2,500mの山中で、今秋からウイスキー熟成を開始した。
井川蒸留所によれば、高標高部での樽熟成は、モルトウイスキーとして世界的にも例のない挑戦となる。現地の環境は非常に厳しく、2,500m地点では最高気温25℃/最低気温マイナス20℃程度が予想され、他にも物理的なリスクとして、多量の積雪の影響がどの程度あるのか、またツキノワグマによるいたずらも懸念される。
未知の環境での挑戦であるため、試験的な“マウンテンカスク”となるが、自社材樽づくりには万全を期した。熊にも負けない強固な内箱、そして気密性や断熱性、雪への対応を考慮した木の家を建付け、登山者も目にすることができない秘境に立つ熟成庫で、まずは越冬を目指す。
株式会社 紙業タイムス社 「Future1/1号」より