レンゴーの100%子会社、大興製紙はこのほど、㈱Biomaterial in Tokyo(本社:福岡県)と提携し、持続可能な航空燃料(SAF;Sustainable Aviation Fuel)の原料となる第二世代バイオエタノールの生産実証事業を開始する。なお、同実証事業は新エネルギー・産業技術総合開発機構(=NEDO)の助成および委託を受けて実施される。
2050年のカーボンニュートラルを目指し、航空分野ではSAF導入が各国で義務化される動きが広がっている。世界的にSAFの需要が高まる中、日本でも国産原料を用いたSAFの安定調達は不可欠。 大興製紙は今後、建築廃材などの未利用バイオマス資源から生成するクラフトパルプを原料として、産業用微生物による自製酵素を用いたバイオエタノール生産技術の開発・実証を行い、27年までに年間2万のバイオエタノール生産を目指す。バイオエタノールは、販売先の燃料事業者でSAFに転換され、航空燃料として使用される予定。
なお同社では、実証事業と並行して事業ポートフォリオの見直しも行う。実証事業用設備の導入と同時に5号抄紙機を更新し、老朽化した1・2号抄紙機を停機して5・6号抄紙機へ生産を集約する。これにより品質・生産性の向上とマテリアルバランスの最適化を図る。
【大興製紙】▽所在地:静岡県富士市▽事業:クラフトパルプ、クラフト紙、特殊紙の製造販売およびリサイクル▽売上高:121億6,900万円(23年3月期)▽抄造設備(主な生産品種):1号機(特殊紙、クラフト紙)、2号機(特殊紙、クラフト紙)、5号機(クラフト紙)、6号機(片艶クラフト紙、箔用紙など)
株式会社 紙業タイムス社 「Future3/11号」より