=2024年3月期第3四半期③=
前号に続き、紙パ関連各社の2024年3月期第3四半期決算(23年4~12月)を紹介する。以下、連結ベース、単位100万円、%表記は対前年同期比。
【紙流通】
■KPPグループホールディングス
〔第3四半期〕
売上高 483,181 (△2.0%)
営業益 9,832 (△43.1%)
経常益 7,700 (△52.2%)
当期益 5,806 (△55.6%)
〔通期予想〕
売上高 650,000 (△1.5%)
営業益 17,000 (△16.7%)
経常益 13,500 (△26.6%)
当期益 10,500 (△33.2%)
○北東アジア…売上高+1.2%、営業利益△6.9%。日本市場の紙分野は、グラフィック用紙の需要減で販売量が減少したが、価格修正により増収。板紙は、段ボール原紙の販売量は減少したが、紙器用板紙は販売量・売上高ともに増加。古紙は販売量・売上高ともに減少。中国は販売量・売上高ともに減少。
○欧州/南米…売上高△6.7%、営業利益△57.9%。欧州では、夏季休暇の影響もあり売上高・利益ともに低調となり、紙卸売事業は価格の低下と販売量の減少が継続。パッケージ事業も売上高・利益ともに期待水準に到達せず。南米も低調。北米は新たにグループに加わったLovepac社が業績に貢献。
○アジアパシフィック…売上高+6.1%、営業利益△9.4%。オセアニアは売上高・利益ともに業績が伸長。アセアンの業績は軟調。
○不動産賃貸事業…売上高+30.1%、営業利益+167.7%。
通期予想は、2023年5月公表の業績予想から変更なし。
■日本紙パルプ商事
〔第3四半期〕
売上収益 411,557 (△2.4%)
営業益 14,162 (△13.3%)
経常益 13,855 (△19.4%)
当期益 8,270 (△62.3%)
〔通期予想〕
営業益 18,000 (△11.2%)
経常益 17,000 (△19.9%)
当期益 11,000 (△56.7%)
当期益の減益幅が大きいのは、前年同期には固定資産の売却益があったことなどによる。
○国内卸売…売上収益+8.8%、経常利益+34.1%。価格修正により増収増益。紙の販売量は減少、板紙の販売量は白板紙が増加したが段ボール原紙が減少して全体でも減少。半導体を含むエレクトロニクス関連の機能材料は低調。
○海外卸売…売上収益△10.1%、経常利益△65.6%。米国、英国、豪州は、需要の減少や得意先の在庫調整により販売量・金額ともに減少。日本からの輸出も中国や東南アジアの需要減で販売量・金額ともに減少。利益は、人件費や支払利息の増加も影響。
○製紙加工…売上収益+9.1%、経常利益+86.1%。価格修正とコストダウンにより増収増益。
○環境原材料…売上収益△11.8%、経常利益△25.4%。国内、米国ともに古紙発生量の減少が継続したほか、米国で古紙の価格が下落。
○不動産賃貸…売上収益△5.1%、経常利益+15.3%。
通期予想は、2023年5月公表の業績予想から変更なし。
■平和紙業
〔第3四半期〕
売上高 11,915 (+0.5%)
営業益 113 (+42.1%)
経常益 174 (+33.3%)
当期益 102 (△87.5%)
〔通期予想〕
売上高 17,000 (+5.8%)
営業益 122 (△11.8%)
経常益 196 (+2.0%)
当期益 137 (△84.3%)
販売量は減少したが、販売単価上昇で売上高は微増。当期益の大幅減は、前年同期には固定資産売却益11億33百万円があったため。
○和洋紙卸売業…構造的な需要減と価格改定の影響で販売量は減少したが、観光イベント事業などの緩やかな回復でファインボードと高級印刷紙が堅調に推移し、売上高は+0.5%、営業利益は+45.2%。品種別の売上高は次の通り。ファンシーペーパーは商業印刷物や紙袋用途が減少して△1.9%。ファインボードは菓子食品・化粧品などの高級パッケージ向けが回復し+8.9%。高級印刷紙は商印用途が安定し、出版物や紙製品用途が増加して+2.7%。ベーシックペーパーは商業印刷物、紙製品用途、東アジア向け輸出が減少して△1.7%。技術紙は偽造防止用途が減少し△1.7%。その他(家庭紙、紙加工品、製紙関連資材等)は△8.9%。
○不動産賃貸業…売上高+2.3%、営業利益+2.8%。
通期予想は、2023年5月公表の業績予想から変更なし。
■セキ
〔第3四半期〕
売上高 8,659 (+2.5%)
営業益 63 (△49.0%)
経常益 223 (△12.6%)
当期益 158 (△31.0%)
〔通期予想〕
売上高 12,290 (+3.2%)
営業益 407 (△7.7%)
経常益 546 (△7.9%)
当期益 342 (△20.4%)
○印刷関連事業…売上高+0.9%、営業利益△47.0%。国内旅行・インバウンド関連の印刷受注が好調だったことやパッケージ関連の伸張により増収となったが、付加価値の高い受注が減少して減益。
○洋紙・板紙販売関連事業…売上高+14.2%、営業損失△15百万円(前年同期比+1百万円)。企業活動の持ち直しにより印刷業者からの用紙受注が堅調。
○出版・広告代理関連事業…売上高+3.5%、営業損失△26百万円(前年同期比△5百万円)。
○美術館関連事業…売上高+1.5%、営業損失△16百万円(前年同期比△1百万円)。
○カタログ販売関連事業…売上高+8.3%、営業利益+13.1%。
通期予想は2023年5月公表の業績予想から変更なし。
株式会社 紙業タイムス社 「Future3/11号」より