大王製紙がセコム医療システム、ダイドードリンコと共同で設置している「ベビー用紙おむつ自動販売機」が、「子ども未来プラザ東四つ木」(東京都葛飾区)への設置をもって、500台を達成した。
ベビー用紙おむつ自販機は、飲料と紙おむつの両方を購入できる自動販売機。子育て世代の応援を目的に、3社が2019年10月から実施している。飲料はダイドードリンコのお茶・紅茶飲料、水、スポーツドリンク類、果実野菜飲料などを販売し、ベビー用紙おむつは大王製紙の『グーンプラス肌快適設計パンツ 2枚入り』(パンツタイプM/Lサイズ、各300円)、『グーン 肌にやさしいおしりふき 70枚入り』(240円)を販売している。
自販機の設置場所は、2019年の道の駅「いたこ」(茨城県)を皮切りに、道の駅や大型商業施設などを中心に計42都府県で展開。国土交通省が子育て応援の取組みとして、「道の駅」などを重点整備箇所に指定し、自治体などと連携しながら子育て応援施設の整備を始めたのを受けて、3社が紙おむつのバラ売りをスタートしたもの。大王製紙は、「今後も紙おむつ自販機の設置を通じて、子ども連れの方が安心して外出しやすい環境づくりを推進し、子育て世代を応援していく」としている。
森林保全の取組みを公表
大王製紙は「国際森林デー」の3月21日、同社の持続可能な森林保全に向けた活動の一部を発表した。
世界中で森林の減少が続き、持続可能な森林経営や生物多様性の保全が課題となる中、国連は森林に対する意識向上を目的に、毎年3月21日を「国際森林デー」に定めた。大王グループは2023年、COP26で各国が署名した「森林と土地利用に関するグラスゴー首脳宣言」を支持し、「大王グループの森林経営に関する方針」を策定。パリ協定が掲げる1.5℃目標達成に向け、次のような取組みを進めている。
■海外での取組み
大王グループのフォレスタル・アンチレ社(チリ)は現在、5万9,000haの事業面積のうち、3万1,000ha(2022年度実績)で植林事業を行っているが、50年までに1万5,000haの植林面積拡大を予定しており、さらに植林地でのCO2吸収を進めていく。また、絶滅危惧種が生息する可能性がある地域を保護し、定期的なモニタリング調査を実施するなど生物多様性保全にも取り組んでいる。
なお、3万1,000haの植林地は植栽年数ごとに土地を区分し、計画的な「植栽・保育・収穫」のサイクルにより、安定した成長と収穫を実現。現在は苗植え付けから15年程度で収穫する仕組みとし、収穫年数に達した成木を収穫し続ける“持続可能な森林経営”を実践している。また生物多様性保全に関しては、チリの天然記念物に認定されているアレルセ、絶滅危惧種のウイジン(カワウソの一種)や在来種のシスネ・クエジョ・ネグロ(黒襟白鳥)が生息する可能性がある地域を高保護価値地域に指定し、定期的なモニタリング調査を行っている。
■国内での取組み
環境保全活動の支援のため、愛媛県が実施する愛媛の森林(もり)基金活動に参加している。愛媛の森林基金は、緑の募金運動などを通じて森林整備活動や緑化推進活動、森林ボランティア活動および森林環境教育などに取り組んでいる。
=王子エフテックス=資源循環混抄紙がコーヒーパッケージに採用
王子エフテックスの資源循環混抄紙『MEGURISH(麻)』が、このほど、キーコーヒーの業務用コーヒー『レインフォレスト・アライアンス認証農園産コーヒー』のパッケージに採用された。
『MEGURISH(麻)』は、従来廃棄されていた素材を紙の原料にアップサイクルして製造した紙。王子エフテックスが2022年にキーコーヒー、三井物産パッケージングとともに開発した。コーヒー豆の輸入時に使用される麻袋が、大半は廃棄処分されていることに着目し、この麻袋をパルプ化して原料の一部に使用したもの。キーコーヒー社で発生した麻袋を、三井物産パッケージングが選別・回収し、王子エフテックスがパルプ化して紙を製造している。『MEGURISH』シリーズには、今回の「麻」のほか、タオルメーカーと共同開発し、タオル製造時に廃棄物として発生する糸や端切れを紙に再生した「綿」がある。
株式会社 紙業タイムス社 「Future4/8号」より