王子ホールディングスはこのほど、非可食バイオマス由来の化成品製造技術を開発するスタートアップ企業、㈱グリーンケミカルへ、第三者割当増資の引受けにより出資した。
グリーンケミカルは、東京工業大学、東北大学との共同研究により、独自の新触媒プロセスの実用化を目指している。同技術では、非可食バイオマス由来の糖を100%原料として、ヒドロキシメチルフルフラール(=HMF)やフランジカルボン酸(=FDCA)などを安定的かつ高純度に供給できる。FDCAは石油由来原料との代替が可能なため、100%バイオマス由来のポリエステル樹脂PEF(ポリエチレンフラノエート)原料としての活用が期待されている。
王子HDは、木質由来の糖液やエタノール製造を推進中で、今年度中にはパイロット製造設備が完成する予定。今後はグリーンケミカルとの協業を進め、木質資源のさらなる有効活用を目指す。
株式会社 紙業タイムス社 「Future6/10号」より