昨年12月5日に95歳で亡くなった美濃紙業の創業者顧問、近藤行雄(後年「征雄」と改名)氏の「お別れの会」が3月14日、東京の帝国ホテルで、しめやかなうちにも盛大に執り行われ、故人と親交のあった多数の関係者が参会した。
当日は会場入口で同社の近藤勝会長夫妻、近藤行輝社長夫妻が参列者を出迎えた。格式張った儀式のようなものは特になく、参列者は故人が愛した故郷、美濃市の「うだつが上がる町並み」を背景にした祭壇(写真)に献花し、別れを惜しんだ。献花を終えた参会者は故人の経歴や思い出の品々などが展示された別室で飲食のもてなしを受けつつ、互いに故人との思い出話に会話が弾んだ。
近藤行雄氏は1929(昭和4)年6月、手漉き和紙の産地として知られる岐阜県武儀郡上牧村乙狩に、男女七人兄妹の三男として生誕。18歳の時に上京し、縁者が営んでいた製紙原料問屋で住み込みで働くようになり、52年に独立。新規参入業者ゆえのリスクや困難に直面しつつも、*災害ゼロ/安全設備の拡充*良品の供給と信頼による受注増*優良社員の育成*取扱高の増量*財務体質の強化などを目標に掲げて社業に注力し、美濃紙業を今日の隆盛に導いた。