王子ホールディングスは、豪州の森林アセットマネジメント事業会社、New Forests(ニューフォレスツ)社と提携し、グローバルに森林投資を行うコーポレートの森林ファンド「Future Forest Innovations ファンド」を設立した。王子グループの環境目標達成のため、海外植林地を拡大するのが狙い。
王子は同ファンドで東南アジア、北米、中南米、アフリカ地域に合計約7万haの植林地を取得し、この植林地で2030年までに年間150万tのCO2固定化を目指す。また、New Forests社の森林管理ノウハウ、情報分析システム、地理空間データの高度活用により、取得植林地の生産性向上と周辺天然林の生物多様性保全に取り組む。
同ファンドは、New Forests社と王子が共同で設立したファンドビークル「Future Forest Innovations」内に設定され、王子グループの森林経営に関する方針・意向を反映した投資活動、森林管理活動を実施していく。同ファンドが投資・保有する森林資産は王子グループ事業として連結対象となる見込み。
森林ファンド事業を手がけるNew Forests社は、2005年にオーストラリア・シドニーで設立され、運用資産は117億豪㌦(77億米㌦)、管理森林面積は約430万haに上る。主要株主は三井物産(49%)と野村ホールディングス(41%)。
【王子コーポレート森林ファンドの概要】▽名称:Future Forest Innovations ファンド▽設立国:シンガポール▽出資約束額:3億米㌦(出資比率は王子HD99%、New Forests社1%)▽運用期間:オープンエンド▽投資対象・目標:東南アジア、北米、中南米、アフリカ地域の森林資産
(紙業タイムス社)