王子ホールディングスは、花王、ソフトバンク、国際紙パルプ商事と連携し、東京23区全域を対象とした使用済み紙コップのリサイクルプラットフォームを構築した。王子グループは、紙コップの回収ルートの構築から破砕・洗浄などの処理工程、再生製品の製造・活用までを一貫して行う、リサイクルの仕組み全体を提供する。
　紙コップは一般的に、ラミネート加工が施されているため古紙回収に出せない禁忌品として大部分が焼却処分されている。しかし近年は、使用済み製品を再び原材料として利用するマテリアルリサイクルの重要性が高まっている。今回の取組みでは王子の再生技術を活用し、紙コップはnepiaのハンドタオル、ボックスティシュの箱、紙コップのスリーブ、段ボールなどに生まれ変わる。
　王子は2022年から外食、宿泊、建設、流通業など、幅広い業界と連携して紙コップのリサイクルを進めてきた。今回は新たに花王（すみだ事業場）、ソフトバンク（竹芝本社ビル）、国際紙パルプ商事（本社）の3拠点で年間約1.6tの紙コップを回収する。写真は3社の紙コップ回収コーナー。王子は今後もこのプラットフォームへの参画企業・団体を広く募集し、都市部でのリサイクルモデルを拡充する考えで、拠点数・対象エリアの拡大を進め、2030年までに年間300tの回収を目指す。