KPPグループホールディングスのグループ会社である王子ファイバーは2月6日、石川県小松市で紙製人工芝『ペーパーターフ』の生産体制強化を目的とした「王子ファイバー小松撚糸工場」の竣工式を執り行った。新工場は、主に『かみのいとOJO⁺(オージョ)』の撚糸工程を担っており、ペーパーターフ製造工程の強化を図る。
ペーパーターフに使われている『かみのいとOJO⁺」は、糸の強度を上げるための特殊な撚糸技法(社外秘)を採用しており、本工程の技術課題の解決を要した。今回新たに稼働する小松撚糸工場では、ペーパーターフ用に開発した新たな撚糸技法を取り入れ、併せて新工場にペーパーターフ用の撚糸工程を集約することで、ペーパーターフの増産体制を構築する。新工場の生産能力は、2026年度で2万5000㎡(ペーパーターフ換算)を見込み、今後は需要に応じた段階的な増産を計画する。
また、本工場の稼働に当たり、酒井商店(本社:石川県小松市)を製造受託者として、ペーパーターフ用の紙糸に関するOEM契約を締結した。これにより、ペーパーターフの安定的な供給体制の構築と、品質水準のさらなる向上を図る。
屋外向け紙製人工芝
『ペーパーターフ』2種を開発
また王子ファイバーは、人工芝の葉の部分に相当するパイル部分に、紙素材を用いた屋外向け紙製人工芝『ペーパーターフ』を開発。
この製品は、公共施設やモール、近代型オフィス環境など景観用途を含めた使用を想定したもので、天然由来の充填剤と組み合わせても使用可能なロングパイルと、屋内向け製品と同等の防炎性能をもつショートタイプという、パイル長の異なる2種類を展開する。いずれも紙の高い生分解性により、パイル部分がちぎれて海洋などに流出してもマイクロプラスチックの発生源とならないとしている。
環境省が公表した「令和6年度検討結果 日本の海洋プラスチックごみ流出量の推計」によると、海洋に流出する人工芝由来のマイクロプラスチックは、パイル由来で年間240t、充填剤由来では最大2,700tに上ると推計され、流出量の抑制や代替素材の開発といった対策が急務となっている。同社委託先による試験では、使用している紙素材の海水中での生分解度は32日後で平均64%という調査結果を得ている。
本製品は、パイル部分に紙を原料とする天然繊維『かみのいとOJO⁺』を使用しており、自然環境下で微生物によって分解されるため、マイクロプラスチック対策に寄与する。
今回開発した屋外向けペーパーターフは、パイル長の異なる2種類で、ロングパイルタイプは、天然芝に近い環境を求める子供用広場などでの使用を想定。本タイプと合わせる充填剤は、紙同様に天然素材を推奨する。
また、 ショートパイルタイプは、パイルを高密度に植え込むことで防炎性能をもたせ、屋上やベランダなど半屋外での使用に適する。これら2種のペーパーターフをベースに、今後は本格的なスポーツ用途にも視野を広げ、より強度の高い製品の開発を進めるとしている。なお本製品は、同グループ会社の国際紙パルプ商事より4月から発売を予定。







