=2026年3月期決算③=
紙パ関連各社の2026年3月期決算を紹介する。以下、連結ベース、単位100万円、%表記は対前年度比、〈 〉内は前年度の実績値。
【製紙】
■北越コーポレーション
〔2026年3月期〕
売上高 287,736 (△5.9%)
営業益 7,539 (△61.8%)
経常益 11,271 (△39.9%)
当期益 7,299 (△53.0%)
〔2027年3月期予想〕
売上高 305,000 (6.0%)
営業益 3,000 (△60.2%)
経常益 4,000 (△64.5%)
当期益 5,000 (△31.5%)
世界的なパルプ市況の軟化や、国内洋紙の需要減退および輸出市況の軟化により、減収減益となった。
○紙パルプ事業…売上高△6.7%、営業利益△67.3%。洋紙は、国内販売は塗工紙を中心に販売量が減少し、輸出も販売量が減少し販売価格も低迷したため、減収。板紙は価格改定により増収となり、品種別では、特板は減収、高板とコート白ボールは増収。機能材は機能紙分野、特殊紙・情報用紙分野ともに販売量が増加し、増収。パルプは海外市場の価格下落と販売減で減収。
○パッケージング・紙加工事業…売上高+4.7%、営業利益+144.7%。液体容器の価格改定および販売量の増加などにより増収増益。
○その他…売上高+1.1%、営業利益△24.4%。主に建設業で外部受注が増加し増収となったが、運送・倉庫業のコストアップで減益。
2027年3月期は、輸出販売強化の継続的な推進とパルプ販売価格の回復・増販効果が業績を下支えする見通しである一方、中東情勢の緊迫化を主因とする原燃料価格高騰などのコスト上昇を見込んだ。
■三菱製紙
〔2026年3月期〕
売上高 157,455 (△10.5%)
営業益 264 (△94.2%)
経常益 1,720 (△62.2%)
当期益 1,900 (△56.2%)
〔2027年3月期予想〕
売上高 175,000 (+11.1%)
営業益 6,000 〈264〉
経常益 6,000 (+248.8%)
当期益 6,500 (+242.0%)
2025年12月に発生した青森県東方沖地震に伴う損失、八戸工場での大規模定期修理の回数増加、老朽化による設備トラブル、ドイツ事業の販売数量減少などにより、減益となった。
○機能商品事業…売上高△11.0%、営業利益△29.0%。感熱紙の販売金額は前期並み。ノーカーボン紙、PPC用紙は販売量・金額ともに減少。リライトメディアの販売金額は減少。イメージング関連製品の販売金額は増加。機能材関連製品では、建材用不織布・化粧板原紙の販売は前期並み、全熱交換素子の販売金額は増加。水処理膜基材の販売金額は減少。蓄電デバイス用セパレータの販売金額は減少。ドイツ事業は販売量・金額ともに減少。
○紙素材事業…売上高△10.3%、営業損失△2,113百万円(前年同期比△3,460百万円)。印刷用紙は販売量・金額ともに減少。包装用紙は販売量・金額ともに増加。パルプは販売量・金額ともに減少。また、青森県東方沖地震に起因し、八戸工場で設備トラブルがあり減産となった。
○エンジニアリング事業…売上高+17.1%、営業利益+127.6%。工務関連子会社での外部工事受注などにより、増収増益。
■中越パルプ工業
〔2026年3月期〕
売上高 110,386 (△0.6%)
営業益 2,741 (△43.4%)
経常益 3,375 (△34.0%)
当期益 2,440 (+38.6%)
〔2027年3月期予想〕
売上高 114,000 (+3.3%)
営業益 2,300 (△16.1%)
経常益 2,700 (△20.0%)
当期益 1,600 (△34.4%)
国内でグラフィック用紙需要の減少が続く中、パルプ輸出価格の下落や紙需要の減退もあり減収となった。利益は、これに加えて原燃料価格の上昇、固定費の増加もあり減益。
○紙・パルプ製造事業…売上高△0.9%、営業利益△53.8%。新聞用紙は、需要減少が続いているものの他社の撤退もあり販売量・金額ともに増加。印刷用紙は、国内販売は販売量・金額ともに増加、輸出は販売量・金額ともに減少。包装用紙も国内は販売量・金額が増加したが、輸出はともに減少。壁紙は販売量・金額ともに前期並み。板紙・加工品、衛生用紙は販売量・金額ともに増加。パルプは販売量は増加したが金額は減少。
○発電事業…売上高+0.7%、営業利益△6.9%。燃料価格の上昇により減益。
○その他…売上高+2.9%、営業利益△9.7%。
2026年度は「中期経営計画2030」の初年度であり、重要な一年。厳しい事業環境が予想されるが、2030年度の収益目標「連結営業利益80億円」「ROE8%」の達成に向け事業基盤強化を進める。
■特種東海製紙
〔2026年3月期〕
売上高 95,413 (+0.6%)
営業益 4,296 (+9.4%)
経常益 5,728 (△8.0%)
当期益 4,368 (+21.1%)
〔2027年3月期予想〕
売上高 100,000 (+4.8%)
営業益 3,200 (△25.5%)
経常益 5,800 (+1.2%)
当期益 4,600 (+5.3%)
○産業素材事業…売上高△0.7%、営業利益+7.4%。主力の段ボール原紙、クラフト紙の日本東海インダストリアルペーパーサプライ向けが低調に推移し販売量が減少。電力販売は、前期は赤松水力発電所で設備トラブルによる停止があったため、その反動で増加。
○特殊素材事業…売上高△5.5%、営業利益△8.8%。特殊印刷用紙は、販売単価が上昇し、海外向けファンシーペーパーの拡販にも努めたが、国内向けの需要減少により減収。特殊機能紙も減収。
○生活商品事業…売上高+1.9%、営業利益+49.8%。トイレットペーパーは価格改定と業務用製品の安定した需要により増収増益。ペーパータオル、ラミネートなどの加工品も価格改定の浸透で増収増益。
○環境関連事業…売上高+7.8%、営業利益+42.7%。十山のウイスキー販売が堅調だったほか、特種東海フォレストの建設事業の完成高が増加したことなどにより増収増益。資源再活用分野は、前期に子会社化した貴藤の業績が寄与して増収増益。
2027年3月期の業績予想は、特殊素材事業での生産設備一時休止や、資源再活用事業での新たな商権拡大に向けた費用の先行支出を織り込み算定した。
【製紙関連】
■レンゴー
〔2026年3月期〕
売上高 1,008,337 (+1.5%)
営業益 37,090 (△0.9%)
経常益 37,419 (△4.5%)
当期益 21,005 (△27.5%)
〔2027年3月期予想〕
売上高 1,090,000 (+8.1%)
営業益 46,000 (+24.0%)
経常益 44,000 (+17.6%)
当期益 31,000 (+47.6%)
当期益には、特別利益として湘南工場敷地の一部収用に係る受取補償金と、政策保有株式の売却に伴う投資有価証券売却益、特別損失としてトライコー社に係る減損損失が反映されている。
○板紙・紙加工関連事業…売上高+1.4%、営業利益+9.5%。固定費や物流費の上昇はあったものの、製品価格の改定が寄与し増収増益。板紙製品の生産量は海外を含むグループ内供給の増加により+0.6%、段ボール製品の生産量は、飲料、青果物向けは低調だったが、他の分野で受注を確保し、段ボール+0.1%、段ボール箱+0.4%。
○軟包装関連事業…売上高+5.5%、営業利益+85.1%。価格改定と販売量の増加で増収増益。
○重包装関連事業…売上高+3.2%、営業利益+12.6%。製品価格改定が寄与し増収増益。
○海外関連事業…売上高△1.9%、営業損失1,628百万円(前期比△6,559百万円)。欧州での自動車産業の低迷により重量物段ボールの採算が悪化し減収減益。
○その他の事業…売上高+1.5%、営業利益△30.4%。
2027年3月期は、原燃料価格の上昇、物流費や労務費の上昇が見込まれるが、昨年から取り組んできた価格改定が寄与する見通し。







