=2026年3月期決算④=
引き続き紙パ関連各社の2026年3月期決算を紹介する。以下、連結ベース、単位100万円、%表記は対前年度比、〈 〉内は前年度の実績値。
【紙流通】
■KPPグループホールディングス
〔2026年3月期〕
売上高 650,368 (△2.9%)
営業益 10,075 (△25.6%)
経常益 6,175 (△36.4%)
当期益 5,618 (△29.7%)
〔2027年3月期予想〕
売上高 710,000 (+9.2%)
営業益 11,000 (+9.2%)
経常益 6,500 (+5.3%)
当期益 5,000 (△11.0%)
ペーパー事業は、世界的にグラフィックペーパー需要が減少し、欧州や中国など一部の地域では2025年の後半まで価格の下落も見られたため減収、売上総利益も減益。一方、ビジュアルコミュニケーション事業は総じて需要が底堅く、また買収した企業の貢献もあり増収、売上総利益も増益。パッケージング事業も、アジアパシフィック地域での小売向けの好調や買収企業の貢献により増収、売上総利益も増益となった。全体としてはペーパー事業の落込みにより減収減益。
○北東アジア…売上高△6.1%、営業利益△35.3%。ペーパー&ペーパーボード事業の紙分野は、グラフィック用紙の需要減により減収減益。板紙分野は、国内の段ボール原紙が堅調で輸出も増加し、増収増益。紙器用板紙はインバウンド、トレーディングカードゲーム関連需要の増加により増収増益。製紙原料分野は市況低迷で減収減益。中国事業は需給環境が好転せず本格的な業績回復には至らず。全体としては、紙分野での減少が響いた。
○欧州/米州…売上高+0.2%、営業利益△25.0%。ペーパー事業は需要低迷と販売単価下落で減収減益。パッケージング事業は、減収ながら、売上総利益は買収した各社の収益貢献により横ばい。ビジュアルコミュニケーション事業は、買収各社の貢献とハードウエア販売の好調で増収増益。全体としてはペーパー事業の落込みが響いた。
○アジアパシフィック…売上高△2.7%、営業利益△6.5%。ペーパー事業は減収減益。パッケージング事業とビジュアルコミュニケーション事業は増収増益。ただし為替の影響で円ベースでは減収減益。
2027年3月期は、ペーパー事業はグラフィック用紙の需要減と仕入価格の上昇を各セグメント地域で見込んでいるが、シェア拡大により利益は確保する想定。欧州/米州、アジアパシフィックのパッケージング事業・ビジュアルコミュニケーション事業は、M&Aで取得した事業会社の業績寄与やEC販売の構成比アップにより、ペーパー事業の落ち込みをカバーする。
■日本紙パルプ商事
〔2026年3月期〕
売上収益 606,779 (+9.4%)
営業益 10,848 (△28.0%)
経常益 10,887 (△31.2%)
当期益 4,720 (△37.6%)
〔2027年3月期予想〕
営業益 15,500 (+42.9%)
経常益 15,000 (+37.8%)
当期益 8,000 (+69.5%)
OVOL Papier社など海外子会社の構造改革に伴う費用2,464百万円を事業構造改善費用として特別損失に計上したほか、これらの子会社で今後の計画を見直した結果、想定収益の実現に遅れが生じる見込みとなったため、OVOL Papier社などに係るのれんの減損損失1,776百万円を特別損失として計上した。
○国内卸売…売上収益△3.7%、経常利益△5.0%。紙の販売量は減少。段ボール原紙は自動車など工業製品向けの需要低迷は続いているが、インバウンド需要の下支えなどにより販売量は前期並み、白板紙は医薬品・化粧品向けの堅調やトレーディングカード用途の好調により販売量が増加、これらにより板紙全体の販売量は前期並み。機能材料の販売は前期並み。
○海外卸売…売上収益+22.7%、経常損失△549百万円(前期比△3,744百万円)。米国、オセアニア、英国は紙需要の減少が継続。日本からの輸出もアジア向けの紙・板紙販売が減少。一方、前期にグループ化した独仏子会社の販売量が加わり、全体の販売量は増加。また、前期にオセアニアで実施したM&Aの効果もあり、売上収益は増加。利益は、独子会社の事業環境回復に想定以上の時間を要したこと、英国・オセアニアでの販売価格下落、為替差損計上などにより赤字化。
○製紙加工…売上収益△0.4%、経常利益+7.4%。段ボールは販売量・金額ともに前期並みだったが、製造費用が増加。再生家庭紙は販売量は前期並み、金額は増加。
○環境原材料…売上収益△11.5%、経常利益△72.1%。古紙の国内事業は、古紙の発生減、事業譲渡により販売が減少。米国は東南アジア向け段ボール古紙の輸出が減少。パルプ販売も国内・海外向けともに減少。総合リサイクル事業の販売は増加。木質バイオマス発電所向け燃料は販売量・単価ともに前期割れ。経常利益は、持分法適用関連会社の固定資産の減損も影響。
2027年3月期は「中期経営計画2026」の最終年度。事業環境の変化に加え、本社移転に伴う一時費用の発生もあるため、定量目標である連結経常利益220億円の達成は難しいと見られるが、引き続き各種施策の取組みを加速させる。
■平和紙業
〔2026年3月期〕
売上高 15,796 (△1.5%)
営業益 99 (△30.3%)
経常益 146 (△29.1%)
当期益 78 (△32.8%)
〔2027年3月期予想〕
売上高 16,400 (+3.8%)
営業益 157 (+57.9%)
経常益 222 (+51.9%)
当期益 155 (+97.1%)
○和洋紙卸売業…売上高△1.4%、営業利益△24.2%。国内市場は、構造的な需要縮減や、物価高による個人消費の冷え込みが影響した。また海外は、アメリカの関税措置の影響もあり、中国・東南アジアで販売が大きく減少した。品種別の売上高は次の通り。ファンシーペーパーは、出版物や紙製品用途は堅調だったが商業印刷、高級パッケージ用途が伸び悩み、△0.6%。ファインボードは、紙製品用途は堅調だったが、高級パッケージや商業印刷用途が伸び悩み△4.7%。高級印刷紙は、出版物、映像・音楽関連、紙製品用途は増加したが、販促用印刷物向けが減少し△0.5%。ベーシックペーパーはパッケージ用途が増加したが、商業印刷物、出版物用途が減少して△1.7%。技術紙は耐水撥水性機能紙や工業製品製造用紙が減少したが、合成紙、偽造防止用紙などが堅調に推移し+7.0%。その他(家庭紙、紙加工品、製紙関連資材等)は△12.2%。
○不動産賃貸業…売上高+8.2%、営業利益△62.3%。既存物件の賃貸面積増加により増収となったが、大阪事務所ビルは当期内に賃貸が成約せず、減価償却費と管理費が先行して発生した。
2027年3月期は、需要の伸長が見込める高級パッケージ用途や機能紙分野へのシフトを強化するほか、サステナブル商材とその仕組みの提案に注力。縮減分野では高付加価値製品の提案強化、市場シェアの拡大を図る。紙以外の特殊素材の開発調査も継続していく。







