日本テトラパックはこのほど、鹿児島県・与論町(与論島)で、学校給食のロングライフ牛乳を活用した防災備蓄の実証実験を開始した。
この取組みは、学校給食で提供するロングライフ牛乳を、平時には給食で消費しながら備蓄として維持する「ローリングストック方式」を給食運営に組み込むことで、災害時の食料確保と給食の欠食防止を同時に実現する、防災備蓄の新たなモデル。全国初の試みとなる。ちなみに同町は、1977年に日本で初めてロングライフ牛乳を学校給食に導入した地域。
実証実験では、まず初期在庫として約4,500本(学乳供給本数の約9日分)を日本テトラパックが寄贈し、与論町が学校給食と連動した在庫循環の運用を行う。6月から1年間、町内の全小中学校(4校)で実施し、在庫管理の実現性、賞味期限管理、作業負担、航路欠航・災害時の実使用状況などを検証する。
与論島では、台風や冬場のしけの影響により、航路の欠航や抜港が頻発する時期がある。乳業メーカーの調査によると今年1月には鹿児島から与論島へ向かうフェリーの26%が、欠航・抜港または条件付き運航となった。そこで実証は、台風シーズンの到来に合わせて6月から開始し、有効性を検証する。
今回の備蓄モデルは、従来の「使わずに保管する防災備蓄」とは異なり、日常運用の中で備蓄を維持する仕組み。新たな設備投資を前提とせず、給食センターや学校での通常運用の中に備蓄機能を組み込むことで、導入・継続のハードルを下げた。また、日常的な消費と補充で在庫を循環させ、賞味期限切れや廃棄リスクを抑えながら、安定した備蓄を維持する。同社では今後、山間部や豪雪地帯など、災害時の物流制約が懸念される地域でも、導入の可能性を検証していく考え。







