新年早々ブラジル通貨レアルは米ドルに対し2008年以来最高を記録、結果、紙パルプ産業の輸出競争力が弱まり輸出の手取りも減少、一方輸入紙が増加し国内メーカーとの競争が激化している。2010年1-11月期で、紙の輸入量は対前年比40.9%増加の140トンを記録、特に印刷筆記用紙関係の伸びが著しく67万トン(47.3%増)、新聞用紙は43万トン(31.5%増)、包装用紙・板紙は9.5万トン(37.73%増)であった。国内消費量は伸びており、国内メーカーの操業率は高レベルにも拘らず増産計画は一部板や非塗工紙を除き小規模に留まっている状態。ブラジルの経済先行き見通しは引き続き良好で消費物価も上昇が見込まれており、レアル高が続く模様。パルプは通貨の変動を左程受けず、2010年はレアル高にも拘らずパルプ輸出は中国向けが減少した分、北米や欧州向けが増加し相殺された格好となり実績は横ばい。今後製紙メーカーは特に輸入の約75%を占める印刷筆記用紙で競争激化に苦慮することになる。但し、輸入紙優遇措置(教育用途目的の輸入は関税零)が厳正に実施されると、輸入量も減少するものと予想される。現行は関税零で輸入申告し教育目的以外の商売目当てに販売されているケースがある。
1月6日付け RISIから抜粋
出典:日本紙類輸出組合・日本紙類輸入組合 ペーパー・トレード ブログ