日本製紙連合会が集計した5月の紙・板紙需給は、生産が前年同月比+1.2%の219.3万t、国内出荷が同+0.7%の204.3万tとなった。国内出荷はほとんど横ばいだが、前月の減少から増加に転じている。うち紙は+0.4%の116.5万t、板紙は+1.2%の87.8万tと、ともに2ヵ月ぶりのプラス。だが新聞用紙、衛生用紙、段ボール原紙が増加する一方、印刷・情報用紙、包装用紙、白板紙は減少するなど、品種によって明暗が分かれている。
紙・板紙のメーカー輸出は前年同月比+22.9%の6.3万t。震災前の水準には及ばないが、紙を中心に回復傾向を持続している。一方、紙・板紙の在庫は前月比+8.4万tの215.5万tと、前月に続き増えた。うち、紙は+7.3万tの152.8万t、板紙は+1.1万tの62.7万tと、ともに2ヵ月連続の増加である。以下、主要品種の動向を眺めてみる。
〔新聞用紙〕国内出荷は前年同月比+6.4%の26.6万t。頁数、広告出稿の増加により4ヵ月連続のプラス。
〔印刷・情報用紙〕国内出荷は同▲3.0%の62.4万t。輸入の増加も影響し、前月に引き続き減少した。他方、輸出は+28.2%の4.5万t。量的には低調だが、主力の塗工紙を中心に前月に続きプラスとなった。
〔包装用紙〕国内出荷は▲4.8%の6.5万tで、8ヵ月連続の減少。落ち幅は縮小しているものの、主要品種の中では前月に続き最大だった。
〔板紙〕段ボール原紙の国内出荷は+1.9%の69.9万t。3月末まで旺盛だった青果物向けの反動などもあり、荷動きは全般的に低調だったが、営業日数の2日増などが寄与し、前月の減少から増加。白板紙の国内出荷は▲3.3%の11.6万t。落ち幅は縮小も、2ヵ月連続のマイナスだった。
〔衛生用紙〕国内出荷は+11.0%の15.1万t。前年同月は、震災特需後の落ち込みが顕著だった。その反動などもあり、主要品種の中では最大の伸びとなっている。
株式会社 紙業タイムス社 「Future7/9号」より