日本製紙連合会が集計した11月の紙・板紙国内出荷は、前年同月比＋0.2％の211.9万t、板紙の牽引により3ヵ月ぶりの増加となった（前々年比は△5.3％）。内訳は、段ボール原紙、白板紙ともにプラスとなった板紙が前年同月比＋2.6％の95.9万tで、3ヵ月ぶりに増加。一方、紙の出荷減は止まらず同△1.7％の116.0万t。これで紙の国内出荷は、新記録となる20ヵ月連続のマイナス。主要品種のうち、前年を上回ったのは情報用紙、段ボール原紙、白板紙の3品種だった。
紙・板紙のメーカー輸出は前年同月比＋19.0％の9.4万tで3ヵ月連続の増加。うち、紙は同＋21.4％の6.8万tで、東南アジア、東アジア、大洋州向けの増加により3ヵ月連続の増加。板紙は東南アジア向けの増加で同＋13.1％の2.6万t、2ヵ月連続増となった。
紙・板紙の在庫は前月比＋1.5万tの211.7万tで、4ヵ月連続の増加。うち、紙は△0.9万tの139.5万tで、新聞用紙の減少により3ヵ月連続減となった。板紙は＋2.4万tの72.2万t.。段ボール原紙の増加により4ヵ月連続で増えている。
〔主要品種の動向〕
＊新聞用紙…国内出荷は前年同月比△2.7％の24.4万t。21ヵ月連続のマイナス記録となった。
＊印刷・情報用紙…国内出荷は4ヵ月連続で減少し、前年同月比△1.5％の64.5万t。輸出は同＋32.5％の4.8万tで、3ヵ月連続の増加。
＊包装用紙…国内出荷は前年同月比△2.5％の6.1万tで、11ヵ月連続のマイナス。未晒、晒ともに減少した。輸出は同＋2.4％の1.4万tで、4ヵ月ぶりの増加。
＊衛生用紙…国内出荷は前年同月比△1.3％の14.7万tで、8ヵ月ぶりの減少。トイレットペーパー、ティシュともにマイナスだった。
＊段ボール原紙…国内出荷は前年同月比＋3.1％の76.8万tで、前月の減少から増加に転じた。
＊白板紙…国内出荷は＋1.2％の12.3万t、3ヵ月ぶりの増加となった。
リサイクルと大掃除の意識調査を実施
また、日本製紙連合会はこのほど、20～60代の主婦300人を対象に昨秋実施した「リサイクルと大掃除に関する意識・実態調査」（インターネット調査、2015年11月10～12日）の結果を発表した。
それによると、リサイクル意識が高いのはPETボトル、缶、ビンで、次に段ボールや新聞などの紙製品が続いた。また、紙をリサイクルしない人はわずか2.7％で、リサイクル意識の高さを現している。
以下、調査結果を抜粋して紹介する。
■大掃除はいつするか？…大掃除をするかどうか聞いたところ、63.0％が「する」と答え、また時期については「12月前半」（60.8％）が最も多く、続いて「クリスマス前」（23.3％）、「仕事納め後」（13.2％）となった。
■大掃除は誰とする？…大掃除は誰とするかという問いに対しては、「夫と」が58.2％で最も多く、また年齢が上がるに連れて夫婦で大掃除をする家庭が増えることが分かった。一方、20代は「１人で」（54.5％）する人が最も多かった。「子どもと」と答えた人は30代と40代が多く、それぞれ39.1％、45.7％だった。
■何をリサイクルする？…大掃除でリサイクルしようと思っているものを聞くと、「段ボール」（43.9％）が最も多く、次いで「衣料品」（42.9％）、「PETボトル」（40.7％）、「缶」（39.7％）となった。年代別で見ると、20代がどの項目も平均より高く、特に「PETボトル」と「缶」が、いずれも72.7％と突出して高かった。また20代は「特になし」と回答した人が最も少なく（平均33.9％に対し20代18.2％）、このことからも、20代の大掃除でのリサイクル意識の高さが分かる。
■リサイクルする紙製品は？…“紙”で何をリサイクルしているか聞いたところ、「新聞、雑誌、段ボールなどを分別して回収日に出す」と答えた人が93.3％に上り、また「スーパーなどの牛乳パックの回収に協力する」人も半数以上（53.0％）いた。ほとんどの主婦が紙のリサイクルを実践しており、また分別回収に関しては、年代が上がるにつれて実践している人の割合が上がった。紙リサイクルを「特に何もしていない」人はわずか2.7％だった。
■紙を使用する際に気をつけていることは？…「チラシなどの裏面を使う」（50.7％）、「簡易包装にする」（40.7％）、「再生紙を使う」（32.3％）などの回答が多かった。年代によって意識差があったのは「プリンターの印刷を控える」で、20代が5.6％だったのに対し、60代は49.0％。また60代は、「再生紙を使う」と答えた人の割合（52.9％）が他の世代と比べて非常に高かったことも特徴的。一方、「特に気をつけていない」と回答したのは20代が38.9％と平均（13.0％）の約3倍に上り、20代は紙の節約意識が他の世代と比べて低かった。
株式会社 紙業タイムス社 「Future1/21号」より
