=2024年3月期第3四半期②=
前号に続き、紙パ関連各社の2024年3月期第3四半期決算(23年4~12月)を紹介する。以下、連結ベース、単位100万円、%表記は対前年同期比、〈 〉内は前年同期の実績値。
■北越コーポレーション
〔第3四半期〕
売上高 225,324 (+4.5%)
営業益 10,888 (+13.4%)
経常益 12,884 (+82.5%)
当期益 7,287 (+85.7%)
〔通期予想〕
売上高 310,000 (+2.9%)
営業益 13,000 (△24.8%)
経常益 14,000 (+22.0%)
当期益 9,000 (+8.1%)
○紙パルプ事業…売上高+4.2%、営業利益+10.8%。原燃料価格の高騰はあったものの、価格改定により増収増益。
○パッケージング・紙加工事業…売上高+15.0%、営業利益+361.2%。価格改定と販売量増加で増収増益。
○その他…売上高△4.3%、営業利益+26.8%。主にパレット販売で外部受注が減少して減収となったが、各種コストダウン効果で増益。
通期予想は、2023年11月公表の業績予想から変更なし。
■三菱製紙
〔第3四半期〕
売上高 144,669(△6.4%)
営業益 2,882 〈△1,325〉
経常益 4,332 (+563.2%)
当期益 △459 〈△4,818〉
〔通期予想〕
売上高 200,000(△4.6%)
営業益 6,000 (+519.6%)
経常益 7,500 (+142.7%)
当期益 4,000 〈△571〉
売上高は減少したが、価格改定やコストダウン効果により営業益と経常益は大幅増益。当期益は、昨夏の八戸工場ボイラー事故に伴う損失の計上などにより赤字。特別損失として、ボイラー事故の復旧費用2,687百万円を計上したほか、ドイツの三菱ハイテクペーパーヨーロッパが、事業再構築費用として特別退職金や減損損失など850百万円を計上している。
○機能商品事業…売上高△9.7%、営業利益+43.0%。産業資材関連は、水処理基材、リライトメディアの販売金額が増加したが、エアフィルターなどは減少。画像資材関連の販売金額は、インクジェット用紙は減少、特殊ドライフィルムレジストは海外向けは数量増も国内が前年割れで減少。ドイツ事業は販売数量・金額ともに減少。
○紙素材事業…売上高△2.8%、営業利益+133百万円(前年同期比+3,484百万円)。国内は、販売量は減少も価格改定で金額は増加。輸出は、数量増に加えて円安の影響もあり販売金額が増加。市販パルプは数量・金額ともに減少。
○その他…売上高△6.8%、営業利益+33.9%。
通期予想は、2023年11月公表の業績予想から変更なし。固定資産譲渡益約1,300百万円が見込まれることなどから、当期益も据え置いた。
■特種東海製紙
〔第3四半期〕
売上高 64,908 (+2.9%)
営業益 1,612 (+15.4%)
経常益 4,713 (+48.6%)
当期益 3,649 (△0.9%)
〔通期予想〕
売上高 90,000 (+7.0%)
営業益 3,000 (+82.8%)
経常益 6,000 (+47.8%)
当期益 4,000 (△3.2%)
○産業素材事業…売上高△1.5%、営業利益+61.6%。物価高による買い控えなどにより、段ボール原紙とクラフト紙の販売量が減少。利益は、水力発電による売電事業が順調に推移し前年を上回った。
○特殊素材事業…売上高△0.9%、営業利益△80.1%。特殊印刷用紙は、国内需要は減少したが価格改定と海外向けFPの販売増で売上は前年並み。特殊機能紙は国内外ともに低調ながら、若干回復傾向にあることに加え、高耐熱性絶縁紙、環境配慮型製品の市場開拓に努めた結果、売上は前年並み。利益面は、円安の影響で減益。
○生活商品事業…売上高+5.4%、営業利益523百万円(前年同期比+510百万円)。販売量は減少したが、価格改定の浸透で増収増益。
○環境関連事業…売上高+39.1%、営業利益+179.3%。建設事業の完成高が前年を上回ったことや、新たに連結子会社化したトーエイの業績が寄与して増収増益。
通期予想は、23年5月公表の業績予想から変更なし。
株式会社 紙業タイムス社 「Future3/4号」より