Asia Pulp & Paperグループ(APP)は今年既に中国・インドネシアで合計8台の薄紙ラインを導入し操業中である。しかしながら、この事業拡大ペースは同社の思惑と比べれば極めて小さな結果でしかない。同社経営陣によれば、APP中国社は海南島の同社複合紙パルプ工場用に2,800mm幅、年産2万7千トンの薄紙ラインを6台発注した。全く同仕様のこの6台は欧州から中枢部であるヘッドボックスやヤンキードライヤー、フードなど輸入し、APP中国の子会社であるJunshun Machineryで組み立てが行われた。また、インドネシアのRiauのPerawang工場では、5,600mm幅の薄紙ライン2台が稼働した。ところが、APP社が2013年に計画をたてた2016年までにその2国で52台の薄紙ライン導入の上、2百80万トン増産を図るとの青写真からはほど遠い状況である。ここへきて計画の見直しを迫られている最大の要因は、既に起こりつつある中国薄紙市場での供給過剰体制による価格低迷と採算性低下である。
10月23日付RISIから抜粋
出典:日本紙類輸出組合・日本紙類輸入組合 ペーパー・トレード ブログ