日本製紙グループは日本製紙を通じ、台湾最大の総合製紙メーカー、永豊餘造紙股〓有限公司グループで板紙事業を展開する永豊餘ケイマンへ出資する。出資時期は5月。
日本製紙グループ本社は07年11月、永豊餘造紙との間で「戦略的業務提携の覚書」に調印、08年10月には日本製紙が永豊餘造紙の板紙・段ボール事業に出資して事業参画することで基本合意した。その後、両社は具体的な出資時期や出資先について協議を進めてきたが、このほど永豊餘ケイマンへの出資で合意し、出資契約および株主間契約書に調印したもの。出資割合は日本製紙20.35%、永豊餘BVI(永豊餘造紙が海外投資を行う持株会社)79.65%となる。
永豊餘造紙の板紙事業は、原紙生産から段ボール事業までを一貫展開し、台湾はもとより中国・アジア市場にも進出している。日本製紙グループとしては、同事業への参画を足がかりに、成長著しいアジア市場で存在感を増したい考え。同社では、「永豊餘造紙との協力体制を構築し、顧客との繋がりを築くノウハウの充実、人材育成の強化を図る。また、中国市場を中心に両社の強みを生かした事業拡大を進める」と抱負を語っている。
<永豊餘ケイマンの概要>
○09年度売上高…5億5,000万㌦
○生産能力…原紙112万t、段ボール加工14億㎡
○工場概要…▽台湾事業:段原紙2工場、段ボール5工場▽中国事業:段原紙1工場、段ボール12工場▽ベトナム事業:段ボール3工場
株式会社 紙業タイムス社 「Future 4/19号」より