印刷インキ工業連合会は、東日本大震災の影響によって印刷インキの生産出荷が危機的状況に陥っている現状を訴え、ユーザー業界にインキ使用量の抑制などを求める声明を発表した。
連合会によれば、化学関係企業でプラント火災や製品倉庫の荷崩れが多数発生したことから、主要原材料の調達が非常に難しく、加えて重油・LPGなどの燃料不足が深刻なほか、計画停電に伴い生産体制の根本的な見直しも迫られている。製品出荷の面でも、ガソリン・軽油不足によって納品の遅れや滞りの恐れが生じている。「インキ製品によっては製品および原料在庫が途切れる可能性があり、まさに”非常事態”」(印刷インキ工業連合会)。
特に新聞インキは、主原料のロジン変性フェノール樹脂が非常に入手困難なうえ、資材調達の環境が日々悪化し、改善の見通しは全く立っていない。この状況が続くと、数週間から1ヵ月で在庫がなくなる恐れがあり、連合会では、「新聞製作の現場においては色数や頁数、インキ使用量の抑制に特段の配慮をいただきたい」と訴えている。
オフセットインキも顔料、樹脂が入手困難で、連合会は「色数やサイズ、インキ使用量などへの特段の配慮」を求めている。グラビアインキは有機顔料や酸化チタン、メチルエチルケトンなどが入手困難で、これも調達環境の改善の見通しは全く立っていない。「今の状況が続くと製品出荷が止まる」としている。
株式会社 紙業タイムス社 「Future 4/18号」より