国土交通省では経済産業省など関係省庁と連携し、「紙・パルプの物流における生産性向上及びトラックドライバーの労働時間改善に関する懇談会」の初会合を、洋紙・板紙分野＝12月6日、家庭紙分野＝同月13日にそれぞれ開催した（段ボール分野は開催日未定）。

　2017年7月、国交省が運送業界を対象に輸送品目別のトラック荷待ち時間をサンプル調査したところ、加工食品、建築・建設用金属製品、紙・パルプの各業界で荷待ちが多発していた。この結果を受け、ドライバーの労働時間短縮と物流の効率化を目指し、トラック運送事業者、発着荷主等の関係者、さらに関係省庁が連携して各業界のサプライチェーン全体で検討を行う懇談会が設置されたもの。

　懇談会メンバーには国交省のほか、経産省、厚労省、学識者、全日本トラック協会に加え、洋紙・板紙分野では製紙連や洋紙代理店会、板紙代理店会、西段工、日印産連などが、家庭紙分野では日家工、家同連、全国化粧品日用品卸連合会などの各担当者らが参加している。議事の概要や会議資料については後日、国交省ホームページで公表される予定。

　12月13日に開催された家庭紙分野の懇談会では冒頭、平嶋隆司・国交省自動車局貨物課長が次の通り挨拶を述べた。

　「業界ではトラックドライバーの働き手、担い手の確保が厳しくなりつつある。働き方改革においては、トラック事業では５年間の猶予があるものの、きちんと準備を整えていく意味でも、あるべき方向に向けて実現できることを考えなければならない。これまで2年間、全国各地でパイロット事業として実証実験を行ってきたが、やはりトラック事業者だけではなく、発荷主や着荷主の方々とも一緒に考えていかなければ、持続可能ではないと実感した。

　日本の美徳的な考え方で、これまでは“見えない面でも頑張る”ことを物流として担ってきたと思うが、今後の人手不足を考えると、全体として効率を上げていく必要がある。荷を出す部分、また荷を受ける部分、さらに庫内作業も含め、どの分野でも人が足りなくなっているのが現状であり、それによって全体の生産や消費が影響を受けることがないよう、いろいろと知恵をお借りしたい。本日はぜひ積極的に、多様な観点からのご意見をいただければと思う」

 

株式会社　紙業タイムス社　「Future1/21号」より