=紙パの第3四半期①=
紙パ関連各社の2022年3月期第3四半期(2021年4~12月)の決算発表が始まった。今号より順不同で紹介していく。以下、連結ベース、単位100万円、%表記は特に記載がない限り対前年同期比。
■王子ホールディングス
〔第3四半期〕
売上高 1,085,614 (+8.2%)
営業益 95,283 (+70.6%)
経常益 100,839 (+111.5%)
当期益 66,645 (+154.9%)
〔通期予想〕
売上高 1,450,000 (+6.7%)
営業益 120,000 (+41.5%)
経常益 120,000 (+44.5%)
当期益 70,000 (+41.0%)
需要が緩やかに回復しつつあることに加え、パルプ販売価格の上昇もあり増収となった。海外売上高比率は前年同期を4.0ポイント上回る32.3%。営業利益は、原燃料価格急騰によるコスト増はあったが、販売量の増加やパルプ販売価格の上昇に加え、グループ全体でコストダウンに取り組んだことにより大幅増益。経常利益は、外貨建債権債務の評価替えに伴う為替差益の発生も加わった。
○生活産業資材…売上高+9.0%、営業利益△10.7%。段ボール原紙、段ボール、白板紙、包装用紙など多くの品種で需要が回復。また段ボール原紙と段ボールは、通販向けが引き続き堅調。紙おむつは減収だったが、家庭紙は堅調。海外事業も増収。
○機能材…売上高+2.4%、営業利益+44.9%。乗車券やファンシーペーパーの需要回復に加え、電動車向けコンデンサフィルムやスマホ製造工程用のセパレートフィルムなどが堅調。海外事業の感熱紙は北米、南米、東南アジアで増収。
○資源環境ビジネス…売上高+24.0%、営業利益+266.6%。エネルギー事業は売電量が減少したが、パルプ事業は中国向け輸出の回復で増収。海外事業も増収。
○印刷情報メディア…売上高+0.2%、営業利益+173.3%。新聞用紙と印刷用紙の出版用途は需要の減少傾向が続いているが、印刷用紙の商印用途は増加。海外事業は中国の回復で増収。
通期予想は、2021年11月公表の予想から変更なし。
■レンゴー
〔第3四半期〕
売上高 558,854 (+9.7%)
営業益 29,712 (△4.7%)
経常益 32,559 (△3.5%)
当期益 25,865 (+11.9%)
〔通期予想〕
売上高 745,000 (+9.4%)
営業益 34,000 (△14.9%)
経常益 37,000 (△14.4%)
当期益 28,000 (△2.1%)
売上高は、需要が回復傾向となったことにより増収。利益は、原燃料価格上昇により営業・経常利益が減益となったが、固定資産売却益が発生して当期純利益は増益。
○板紙・紙加工関連事業…売上高+3.7%、営業利益△7.7%。販売量の増加により増収となったが、原燃料価格の上昇や固定費の増加により減益。
○軟包装関連事業…売上高+15.7%、営業利益△32.9%。連結子会社の増加により増収となったが、原料価格の上昇により減益。
○重包装関連事業…売上高△2.2%、営業利益△10.6%。業務用食品関連の需要減および原料価格の上昇などにより減収減益。
○海外関連事業…売上高+43.5%、営業利益+80.4%。コロナ禍で落ち込んだ需要が回復傾向となり増収増益。
○その他の事業…売上高+5.1%、営業利益+4.4%。紙器機械などの需要が持ち直して増収増益。
通期予想は、2021年5月公表の予想を修正した。修正額(単位100万円)は、売上高+22,000、営業益△8,000、経常益△7,000、当期益△2,000。売上高は、需要の回復傾向により前回予想を上回る見込みだが、利益面は、原燃料価格が騰勢を強めており、補助材料や物流経費も大幅に上昇しているため前回予想を下回る見込み。
株式会社 紙業タイムス社 「Future2/21号」より