=王子ホールディングス=
微結晶セルロース企業をインドで買収
王子ホールディングスはこのほど、製薬業界向け微結晶セルロースの製造販売事業をグローバル展開する、インドのChemfield Cellulose Private Limited (=ケムフィールド社)の発行済株式を取得した。
微結晶セルロースは、パルプを原料として精製される無味無臭の白色の粉末。安全性が高く、医薬品製造用の賦形剤(錠剤や粉薬などの固形製剤を作るための添加剤)や栄養補助食品向けなど、幅広い用途に使われており、成形性、粉体流動性などに優れていることから、新薬やジェネリック医薬品への採用が拡大している。
インドの製薬業は、高品質の製品を手頃な価格で欧米向けに供給して急成長を遂げ、今後も世界的な人口増加に伴う医薬品の需要増を背景に、重要な輸出産業として拡大する見通し。その中でもケムフィールド社は、発がん性のあるニトロソアミン類を含まない高い品質水準と価格競争力を持つ製品群により、インド国内のほか、欧米の大手グローバル医薬品メーカーへの採用実績も重ねている。王子グループは、パルプ加工品(微結晶セルロース)の製造販売一貫体制を確立し、高付加価値事業を拡大させていく考え。
【Chemfield社の概要】▽所在地:マハラシュトラ州ナグプール▽事業:微結晶セルロースの製造・販売▽24年3月期売上高:10億5,100万インドルピー(約19億円)