王子ホールディングスはこのほど、みずほ銀行をアレンジャーとする「Mizuho自然資本インパクトファイナンス」を活用し、国内金融機関23行によるシンジケートローンで資金を調達した。契約額は340億円。みずほ銀行が同ファイナンスの取扱いを開始したのは2月からで、シンジケーション方式は今回の王子が初めて。
「Mizuho自然資本インパクトファイナンス」は、みずほ銀行とみずほリサーチ&テクノロジーズ(=MHRT」)が、TNFDなどの自然資本関連の枠組みやガイドラインを参考に開発したファイナンス商品。MHRTが開発した評価手法を用いて企業のネイチャーポジティブ経営に関する姿勢や取組みを評価し、一定以上の評価に達した企業に融資している。フレームワークについては、日本格付研究所から環境省の「インパクトファイナンスの基本的考え方」に適合する旨の意見書を取得するとともに、自然資本に関する専門的知見を持つ国連開発計画の専門家の助言を受けて、みずほ銀行とMHRTが開発した。
王子は国内外に63.5万haに及ぶ社有林を保有し、森林資源の充実と活用を目的とした林業と、生物多様性保全や水源涵養など森林の多面的機能が両立するよう、持続的な森林経営を行っている。こうした活動や、さまざまなステークホルダーと連携して森林価値の定量化・最大化に取り組んでいる点が高い評価を受け、融資が行われることとなった。