コクヨS&Tは、中国でのステーショナリー事業を強化するため、12年夏頃の稼動予定で上海市奉賢区にノート工場を建設する。総投資額は約20億円。
同社はアジアを中心に海外事業の強化を進めており、10年後には売上高の海外比率を現在の数%から30%以上に引き上げる計画を打ち出している。すでにベトナムではノートの生販一貫体制を構築。また5月にはインド市場への本格進出のため、同国の画材・筆記具トップメーカーであるカムリン社の株式取得の手続きを開始した。
中国では03年にファニチャー事業で進出、ステーショナリー事業は05年からオフィス通販の『Easy Buy』を展開しており、09年からは卸事業でのテストマーケティングも行っている。コクヨが中国国内で取引している大手卸は40社を超え、着実に事業基盤を築いてきた。10年には日本からの生産輸出によりノート約200万冊の販売実績を上げている。
新工場は、上海・北京で「Easy buy」を展開している国誉商業(上海)有限公司の上海工場(仮)として運営する予定であり、必要なライセンスもすでに上海市当局から取得している。ノートなどの紙製品を中心とする文具を生産し、20年に100億円の売上げを目指す。
株式会社 紙業タイムス社 「Future 9/5号」より