淀川製鋼所(國保善次社長)はこのほど、アンドリッツキュスター社(本社:ドイツ)との間で、抄紙工程の不可欠な設備であるシュープレスの製造・販売・サービスに関して技術提携契約を締結した。
淀川製鋼所は1967(昭和42)年に、アンドリッツキュスター社の前身であるキュスター社と製紙用のクラウンコトロール(スイミングロール)で技術提携を行った。以来、両社の提携はスイミングロール技術に基づいたマルチハイドロバリオロールまで拡大している。その結果、紙の特性向上を目的に、クラウンコトロールを用いた種々のカレンダータイプが開発されるようになった。これらのカレンダーも、両社の提携範囲に含まれている。
シュープレスはこれらと同じロール技術を用いた搾水設備だが、効率が極めて高いため、淀川製鋼所では取扱品目の拡充と国内製紙メーカーへの提案強化を目的に、この技術の導入を決定した。これまでのカレンダーやロールビジネスと同様、迅速かつキメ細かな対応ができる製造・営業・サービス体制を構築していくとしている。
シュープレスの概要 シュープレスは搾水工程の一部で、その役割は湿紙から水分をできる限り多く取り除くこと。これにより、乾燥工程で必要となる熱エネルギーを減らせる。従来のロールプレスとは比較にならないほど広幅のニップを持ち、ニップ圧も低くなる。これによって紙にダメージを与えることなく、より多くの水分を除去できる。
シュープレスによる紙の乾燥効率向上で、従来と同様の紙生産量であれば乾燥エネルギーを20%節約できるし、従来通りのエネルギーを投入すれば、紙の生産量を20%増やすことができる。この生産性の向上が、製紙メーカーにとって大きな価値を生む。新しい抄紙ラインや既存搾水工程へのシュープレス導入で、生産量拡大による利益を生むことが可能となる。
問い合わせは淀川製鋼所ロール販売本部ロール部非鉄グループ(電06-6472-1275 F06-6472-1286)まで
株式会社 紙業タイムス社 「Future 10/3号」より