=紙パ関連企業の第3四半期=
前号、前々号に続き、今号では紙流通と紙加工企業の第3四半期決算(2011年4~12月)を紹介する(連結、単位100万円、カッコ内は前年同期比)。
【紙流通】
●平和紙業
〔第3四半期業績〕
売上高 14,953 (▲5.6%)
営業益 132 (▲40.6%)
経常益 183 (▲30.9%)
当期益 50 (▲38.6%)
〔通期業績予想〕
売上高 20,000 (▲5.0%)
営業益 202 (▲32.6%)
経常益 223 (▲34.5%)
当期益 100 (+40.5%)
特殊紙販売の原点に立脚した収益確保と環境対応紙への取組みを軸に、高収益基盤の体制づくりを最重要課題としてきたが、販売実績は取扱い6品目すべてで前年割れとなった。品目別の販売状況は、ファンシーペーパーは徐々に回復傾向が見られるものの、用紙コスト削減の影響で市場の縮小傾向が根強い。ファインボードは、震災後の自粛ムードの中、主力のアルミ蒸着紙やパール調板紙が不調だった。高級印刷紙は需要減少やコスト削減で伸びなかった。ベーシックペーパーは、下期に入り徐々に需要・供給の両面で回復が見られたが、製紙工場被災による供給力低下などが影響した。技術紙は、新規商圏獲得などにより回復傾向にはあるものの、主力の合成紙の販売量が減少した。通期予想は昨年5月の予想から変更なし。
●共同紙販ホールディングス
〔第3四半期業績〕
売上高 13,178 (▲8.2%)
営業益 48 (+153.3%)
経常益 54 (+63.3%)
当期益 ▲46 ( - )
〔通期業績予想〕
売上高 18,070 (▲5.7%)
営業益 112 (+20.2%)
経常益 109 (+1.3%)
当期益 5 (▲89.8%)
景気悪化による需要低迷とメーカーの価格修正を受け、売上高は厳しい状況が続いている。損益については、販管費の削減や金融コストの圧縮を図ったが、大手得意先の貸倒事故による特別損失の発生により、最終損益が赤字化した。通期予想は昨年11月の予想から変更なし。
【紙加工】
●野崎印刷紙業
〔第3四半期業績〕
売上高 13,460 (▲2.6%)
営業益 179 (▲44.9%)
経常益 182 (▲44.3%)
当期益 331 (+53.6%)
〔通期業績予想〕
売上高 17,200 (▲2.5%)
営業益 110 (▲57.4%)
経常益 120 (▲53.3%)
当期益 330 (+231.0%)
厳しい経営環境が続く中、業績回復に向け製品の品質向上やコストダウンに注力し、新規顧客拡充に努めたが、景気低迷などにより売上げは減少、原材料価格上昇もあって業績は低調に推移した。財務体質の健全化を図るために投資有価証券を売却したほか、固定資産の除却処分および売却を実施した。部門別の売上げは、情報機器・サプライ品部門が前年並みを維持したほかは、商業印刷部門、包装資材・紙器・紙工品部門、その他部門のいずれも減収だった。
通期予想は、昨年5月の予想から、主要原材料の価格高騰などにより営業利益と経常利益を下方修正。当期純利益は、固定資産売却益の発生などにより上方修正している。売上高は変更なし。
●大石産業
〔第3四半期業績〕
売上高 12,762 (+0.1%)
営業益 474 (▲13.2%)
経常益 626 (▲6.8%)
当期益 286 (▲35.4%)
〔通期業績予想〕
売上高 17,500 (+3.7%)
営業益 710 (+0.8%)
経常益 930 (+0.9%)
当期益 530 (▲5.7%)
既存分野の維持拡大を図りつつ、環境に配慮した製品などで提案営業を推進するとともに、業務の効率化、コスト削減、顧客満足の質的向上に取り組んだ。通期予想は、昨年5月の予想から変更なし。
●中央紙器工業
〔第3四半期業績〕
売上高 9,641 (▲3.4%)
営業益 1,115 (▲9.8%)
経常益 1,140 (▲9.8%)
当期益 633 (▲9.5%)
〔通期業績予想〕
売上高 13,000 (▲0.7%)
営業益 1,500 (▲1.8%)
経常益 1,550 (▲1.1%)
当期益 850 (▲2.5%)
国内の段ボール需要全体は前年並みで推移したが、中央紙器グループの主要取引先である自動車関連や電気・機械関連は、震災、円高、生産拠点の海外移管などの影響が大きかったため、減収減益となった。セグメント別の業績は、「日本」は主要取引先である自動車関連に回復の兆しがあったものの、電気・機械関連への販売が減少したことにより減収減益。「中国」は主要取引先の電気・機械関連への販売が減少し、売上高、セグメント利益ともに前年比2桁減となった。通期予想は昨年5月の予想から変更なし。
株式会社 紙業タイムス社 「Future 3/12号」より