=紙パの第1四半期①=
	 紙パ関連各社の第1四半期(2017年4~6月)決算の発表が始まった。今号より順不同で紹介していく。以下、数値は連結ベース、単位100万円、( )内は対前年同期増減率、〈 〉内は前年同期の実績値。
	●王子ホールディングス
	〔第1四半期〕
	 売上高 350,926 (+0.1%)
	 営業益  12,667 (△31.6%)
	 経常益  10,165 (+30.4%)
	 当期益   5,608 (△23.2%)
	〔通期予想〕
	 売上高 1,500,000 (+4.2%)
	 営業益   75,000 (+6.4%)
	 経常益   64,000 (+25.0%)
	 当期益   37,000 (+1.2%)
	 売上高は増収となったものの、営業益は原燃料高などの影響もあり減益。経常益は為替差損の減少により増益、当期益は固定資産売却益の減少などにより減益となった。
	○生活産業資材…売上高は前年同期比+1.9%、営業利益は同△89.3%。段ボール原紙、段ボールの販売量は前年より増加。白板紙・包装用紙も国内・輸出ともに好調で販売量が増加。家庭紙の販売量も増加、紙おむつはベビー用が減少したが、大人用は増加。海外事業は、段ボール原紙、段ボール、紙おむつ、いずれも堅調。
	○機能材…売上高は前年同期比+0.3%、営業利益はコスト削減効果などにより同+32.9%。特殊紙の国内販売量は増加し、感熱紙はほぼ前年並み。海外事業は、感熱紙販売量が南米で減少したがその他の地域はほぼ前年並み。
	○資源環境ビジネス…売上高は前年同期比+8.3%、営業利益は同△3.5%。パルプの販売量は増加。エネルギー事業も堅調で売電量は前年並み。海外事業は、パルプは前年並み、木材は販売量が増加。
	○印刷情報メディア…売上高は前年同期比△4.9%、営業利益は原燃料高により7億円の損失計上。新聞用紙は減少、印刷・情報用紙は販売量は前年並みだったが市況軟化で減収。海外事業は販売量が増加。
	●日本製紙
	〔第1四半期〕
	 売上高 255,639 (+8.7%)
	 営業益   3,120 (△43.5%)
	 経常益   5,352 (△11.7%)
	 当期益   5,585 (+86.4%)
	〔通期予想〕
	 売上高 1,050,000  (+5.8%)
	 営業益   30,000 (+26.2%)
	 経常益   30,000 (+11.1%)
	 当期益   15,000 (+78.6%)
	○紙・パルプ…売上高は前年同期比+8.2%、営業利益は原燃料高などの影響を受け、2.8億円の損失計上。洋紙は総じて低調で販売量は前年割れ。家庭紙関連の販売量は増加。また、昨年9月に営業を開始した日本ダイナウェーブパッケージング社や、昨年10月に営業を開始した日本東海インダストリアルペーパーサプライを前年度より連結範囲に含めたことから、これらの売上げが増収に寄与した。
	○紙関連…売上高は前年同期比+13.3%、営業利益は同+79.6%。液体用紙容器は清涼飲料向けを中心に販売量が増加。溶解パルプ、化成品も概ね堅調で、機能性フィルムは新規開発品の増販が増収に寄与した。
	○木材・建材・土木建設関連…売上高は前年同期比+7.4%、営業利益は同+20.2%。
	●大王製紙
	〔第1四半期〕
	 売上高 124,860  (+9.9%)
	 営業益    751  (△84.3%)
	 経常益    227  (△93.0%)
	 当期益    797  (△35.6%)
	〔通期予想〕
	 売上高 550,000  (+15.3%)
	 営業益  25,000  (+6.2%)
	 経常益  25,500  (+19.5%)
	 当期益  14,000  (+15.4%)
	○紙・板紙…売上高は前年同期比+4.4%、セグメント損益は4億6,900万円の損失計上。新聞用紙は販売量・金額ともに前年割れ。新聞用紙を除く洋紙は、販売量が前年並みだったが、販売金額は前年割れ。板紙・段ボールは、通販や飲料を中心とした加工食品分野の需要増加もあり、販売量・金額ともに前年同期を上回った。セグメント全体の損益は、原材料コストの増加に加え、販売価格が下落したため赤字。
	○ホーム&パーソナルケア…売上高は前年同期比+15.8%、セグメント利益は同△54.5%。国内事業は全商品カテゴリーで販売量・金額ともに前年同期を上回った。家庭紙は、日清紡ホールディングスからの紙製品事業譲受による販売拡大もあり、特に付加価値品が好調だった。大人用紙おむつも、業務ルートが堅調で、市販品も新製品により新規ユーザーを獲得。ベビー用紙おむつも拡販が進んだ。海外事業も販売量・金額ともに前年同期を大きく上回った。ただしセグメント利益は、主に中国の販売促進費用が一時的に高まった影響を受け、前年割れとなった。
	●北越紀州製紙
	〔第1四半期〕
	 売上高 67,196 (+1.6%)
	 営業益  3,786 (+5.9%)
	 経常益  4,733 (+109.3%)
	 当期益  3,827 (+74.5%)
	〔通期予想〕
	 売上高 280,000 (+6.7%)
	 営業益  12,000 (△7.0%)
	 経常益  16,000 (+13.8%)
	 当期益  11,000 (+6.0%)
	 海外子会社の増収および収益改善などにより、増収増益となった。
	○紙パルプ…売上高は前年同期比+2.1%、セグメント利益は同△0.7%。
	○パッケージング・紙加工…売上高は前年同期比△2.0%、セグメント利益は同+29.1%。
	●三菱製紙
	〔第1四半期〕
	 売上高 49,283 (△3.2%)
	 営業益 △656 〈518〉
	 経常益 △597 〈△653〉
	 当期益 △787 〈△1,136〉
	〔通期予想〕
	 売上高 205,000 (+1.5%)
	 営業益   4,000 (△7.3%)
	 経常益   2,500 (△7.5%)
	 当期益   1,500 (+30.1%)
	 洋紙の国内市況が弱含みで推移したことや、欧州子会社の為替換算の影響などにより減収となった。損益面は、売上高の減少に加え、原燃料価格の上昇があったことなどにより損失計上。
	○紙・パルプ…売上高は前年同期比△3.3%、営業損失は前年同期(△3億5,500万円)より赤字幅が膨らんで12億1,400万円。国内販売は情報用紙が堅調だったが印刷用紙は減少、輸出は伸長。その結果、販売量は増加したが、金額は国内市況の弱含みなどにより減少。欧州子会社は販売量・金額ともに減少。
	○イメージング事業…売上高は前年同期比△7.6%、営業利益は同△65.5%。国内は写真感光材料や印刷製版材料が減退し、販売金額は減少。海外は全般的に受注が安定し販売金額は増加。
	○機能材…売上高は前年同期比+3.0%、営業利益は同+16.4%。機能材料の販売金額が減少したが、化学紙の販売金額は増加。
	●中越パルプ工業
	〔第1四半期〕
	 売上高 22,805 (△1.9%)
	 営業益 △807 〈121〉
	 経常益 △827 〈14〉
	 当期益 △624 〈801〉
	〔通期予想〕
	 売上高 98,000 (+4.4%)
	 営業益  1,300 (△12.7%)
	 経常益  1,300 (△7.0%)
	 当期益   800 (△36.3%)
	 主力工場の長期点検停止を行ったこともあり、前年同期と比べて損益は大幅に悪化した。
	○紙・パルプ製造…売上高は前年同期比△2.9%、営業損益は△11億4,600万円の損失計上(前年同期は△3億5,500万円)。新聞用紙は販売量・金額ともに前年割れ。印刷用紙は、販売量は増加したが金額は減少。包装用紙は、輸出に傾注して販売量増加に寄与したが、金額は前年割れ。特殊紙・板紙・加工品等は、加工業者の在庫調整の影響やインバウンド需要の減少で販売量・金額ともに前年割れ。パルプ販売は横ばい。
	○発電…売上高は前年同期比+4.3%、営業利益は同△19.1%。安定操業に努めて増収となったが、燃料価格上昇により減益。
	●特種東海製紙
	〔第1四半期〕
	 売上高 19,720 (+2.4%)
	 営業益   977 (△9.8%)
	 経常益   197 (△83.0%)
	 当期益  △77 〈758〉
	〔通期予想〕
	 売上高 78,400 (+0.9%)
	 営業益  3,300 (△29.9%)
	 経常益  3,600 (△29.1%)
	 当期益  2,300 (△40.3%)
	○産業素材…売上高は前年同期比+2.6%、セグメント利益は同△19.7%。主力の段ボール原紙およびクラフト紙は、営業を開始した日本東海インダストリアルペーパーサプライ向けの生産が順調に推移したことなどにより、販売量が前年同期を上回った。
	○特殊素材…売上高は前年同期比+1.3%、セグメント利益は同+5.6%。特殊印刷用紙は、出版社の低迷、包装用途の簡素化志向を受けて、販売量が減少。特殊機能紙は、販売量・金額ともに前年並み。
	○生活商品…売上高は前年同期比+1.6%、セグメント利益は同△14.2%。ペーパータオルは、販売量は前年並みだったが、販売価格は若干下落。トイレットペーパーは堅調。
	株式会社 紙業タイムス社 「Future9/4号」より



















 
       
      
