王子ホールディングスと凸版印刷は、企業の環境格付のグローバルスタンダードとして知られる非政府組織、CDPの2021年度調査で、それぞれ「A-」と「A」の評価を獲得したことを公表した。
CDPは世界の主要企業・自治体を対象に、「気候変動」「水セキュリティ」「フォレスト」の環境3分野にについて、質問状を送る形で取組み内容を調査、その回答から「A」~「D-」の8段階で評価し、公表している。21年度の回答企業は、過去最高の約1万3,000社となった。
■王子ホールディングス
「気候変動」「水セキュリティ」「フォレスト」の3分野すべてで、リーダーシップレベルの「A-」評価を獲得した。王子は、2050年度の温室効果ガス排出実質ゼロを目標とする「環境ビジョン2050」と、そのマイルストーンとして「環境行動目標2030」を制定しており、「2030」では、18年度対比GHG排出量70%削減を目標に掲げている。国内外約58万haの社有林の維持拡大と、再生可能エネルギーへの転換を目標達成の両輪と位置づけ、また、サステナビリティ戦略として、森・水・紙のリサイクルなど、さまざまな取組みを実践しているほか、石油由来プラスチックの代替となる木材由来の環境配慮型素材、製品の開発にも力を入れている。
■凸版印刷
評価カテゴリの一つである「気候変動」について、最高評価の「A」に選定された。「気候変動」の21年度評価では、全世界で200社、日本企業は55社が「A」に選定されている。同社は、環境課題への長期的な方針を定めた「トッパングループ環境ビジョン2050」を策定しているほか、SDGsターゲットイヤーである30年に向けて、「トッパングループ2030年度中長期環境目標」として、GHG排出量削減などの数値目標を新たに設定している。また、TCFD提言に基づいたシナリオ分析と情報開示を行っている。
株式会社 紙業タイムス社 「Future1/17号」より