日本製紙連合会は、2021年11月のパルプ・パルプ材速報と10月の古紙需給統計を発表した。％表記は、特に記載がない限り、正体が前年同月比、斜体が19年同月比。
■パルプ速報（11月）
　製紙パルプ生産量は、＋8.8％の61.3万tで8ヵ月連続の増加となったが、2019年同月比は△5.8％。このうちBKPは＋8.0％の48.8万tで8ヵ月連続増（△7.8％）、UKPは＋18.8％の8.8万tで9ヵ月連続増（＋8.5％）。
　製紙パルプ販売は＋25.3％の9.5万tで15ヵ月連続の増加（＋25.5％）。このうちBKPは＋27.8％の6.8万tで14ヵ月連続の増加。UKPは＋15.9％の2.4万tで4ヵ月ぶりの増加。在庫は前月比△14.7％の12.1万tで4ヵ月ぶりの減少、前年同月比は△17.5％で10ヵ月連続の減少、19年同月比は△15.0％だった。このうちBKPは前月比△11.5％の9.2万tで2ヵ月連続減、前年同月比は△23.0％で10ヵ月連続減。UKPは前月比△24.6％の2.3万tで2ヵ月ぶりの減少、前年同月比は＋8.0％で9ヵ月連続増。
■パルプ材速報（11月）
　パルプ材消費は、パルプの生産増を受けて＋11.4％の8ヵ月連続増となったが、数量的には前月の130万t台から大幅に減少して117.7万t（△3.7％）。うち針葉樹は＋9.8％の37.4万t（＋1.0％）、広葉樹は＋12.1％の80.3万t（△5.7％）で、いずれも8ヵ月連続増。
　集荷は＋23.4％の126.2万tで7ヵ月連続の増加。19年比は＋2.0％で初めての増加。このうち、国産は＋2.8％の34.0万tで7ヵ月連続の増加（△9.2％）。国産の内訳は、針葉樹が＋5.2％の26.5万t、広葉樹が△5.1％の7.5万t。輸入は＋33.3％の92.2万tで9ヵ月連続の増加となり、19年比も＋6.8％で2ヵ月連続の増加。輸入の内訳は、針葉樹が＋192.4％の15.5万t、広葉樹が＋20.1％の76.7万t。輸入は通常に近い水準を維持し、国産材は伸び悩みが目立つ。
　在庫は前月比＋6.8％の136.5万tで4ヵ月ぶりの増加。集荷減少も、消費の減少がそれを上回った。前年同月比は△4.8％、19年比は△25.7％、維持月数は1.1ヵ月。
■古紙需給（10月）
　古紙入荷は△2.1％の135.3万tで8ヵ月ぶりの減少。増加したのは、14ヵ月連続増の段ボール古紙（＋0.1％の80.6万t）のみで、新聞古紙は△8.1％の19.1万t、雑誌古紙は△2.8％の18.5万t、上級古紙は△4.8％の13.2万t。
　消費は、紙向けが△13.5％と低水準だったことから、△1.4％の136.4万tで2ヵ月連続の減少（△3.1％）。品種別では、段ボール古紙が＋2.9％の82.7万t（＋6.4％）、雑誌古紙が△2.7％の18.7万t（△7.1％）、新聞古紙が△14.3％の17.7万t（△23.7％）、上級古紙が△4.3％の13.2万t（△13.7％）。
　在庫は44.4万tで前月比△2.5％、前年同月比△24.4％と低水準。輸出は△29.5％の18.7万tで13ヵ月連続減。ベトナム、韓国、台湾が主な輸出先となっている。
 

株式会社　紙業タイムス社　「Future2/7号」より