日本製紙連合会が集計した3月の紙・板紙国内出荷は、前年同月比＋1.7％の203.1万tで、5ヵ月連続のプラスとなった。2020年同月比は＋1.0％。以下、％表記は正体が前年同月比、斜体は20年同月比。
　国内出荷のうち、紙は＋1.7％（△4.2％）の100.3万t、板紙は＋1.7％（＋6.6％）の102.9万t。用途別では、グラフィック用紙が△0.6％（△3.7％）の71.0万tで2ヵ月連続のマイナス、パッケージング用紙は＋2.3％（＋6.0％）の114.9万tで13ヵ月連続のプラス。主要品種は新聞用紙、非塗工紙、情報用紙を除き前年同月比プラスだった。
　紙・板紙のメーカー輸出は＋24.8％の23.8万tで2ヵ月連続のプラス。紙（＋11.5％）、板紙（＋36.8％）、合計いずれも過去最高を記録した。うち、グラフィック用紙は塗工紙を中心に東南アジア、東アジア向けが増加し、＋21.0％の7.0万tで12ヵ月連続のプラス。パッケージング用紙は段ボール原紙を中心に東アジア、東南アジア向けが増加し、＋26.6％の16.9万tで2ヵ月連続のプラス。グラフィック系は、戦争やUPMキュンメネの現地ストの影響で欧州品が入りにくくなっているため、代替として日本品へのオーダーが増えた。パッケージ系はアジア製造業の活況が影響した。古紙禁輸の影響で中国の段ボール原紙需給がタイトになっており、日本品が代替使用されている。
　紙・板紙の在庫は前月比△11.3万tの189.2万tで2ヵ月連続の減少。うち、グラフィック用紙は新聞用紙、印刷・情報用紙いずれも減少して、同△6.5万tの84.6万tとなり2ヵ月連続の減少。パッケージング用紙は包装用紙、段ボール原紙、白板紙いずれも減少して同△4.8万tの96.6万tとなり3ヵ月ぶりの減少。衛生用紙は増減なしの8.0万t。
〔主要品種の動向〕
＊新聞用紙…国内出荷は△7.4％（△9.2％）の17.5万tで10ヵ月連続のマイナス。
＊印刷・情報用紙…国内出荷は＋1.9％（△1.8％）の53.5万tで3ヵ月連続のプラス。非塗工紙、情報用紙はマイナスだったが、塗工紙が＋7.0％のプラス。塗工紙の出荷増は、UPM製品がストの影響で入ってこなくなり、国内紙へ振り替える動きが生じたことが主因。メーカー輸出は＋21.0％の7.0万tで12ヵ月連続のプラス。
＊包装用紙…国内出荷は＋13.3％（＋12.8％）の6.7万tで12ヵ月連続増。メーカー輸出は＋3.7％の2.0万tで7ヵ月ぶりのプラス。
＊段ボール原紙…国内出荷は＋0.1％（＋5.6％）の82.8万tで5ヵ月連続のプラス。メーカー輸出は＋34.0％の12.7万tで2ヵ月連続のプラス。
＊白板紙…国内出荷は、＋11.7％（＋13.3％）の13.2万tで13ヵ月連続のプラス。
＊衛生用紙…国内出荷は＋7.9％（△9.4％）の17.2万tで5ヵ月連続のプラス。値上げに備えた前倒し発注だけでなく、一部インバウンドも含む実需が伸びている。特にタオル用紙は＋9％台の高伸長。
 

株式会社　紙業タイムス社　「Future5/16号」より