大王製紙は、軟便・水様便の吸収にすぐれた『アテント Sケア 軟便安心パッド』を、17年ぶりにリニューアルした。全国の病院・介護施設向けに9月12日から販売している。
『アテント Sケア 軟便安心パッド』は、大王製紙が真田弘美・石川県立看護大学学長(前 東京大学老年看護学教授)および仲上豪二朗・東京大学大学院医学系研究科教授との共同研究成果をもとに開発し、2005年に発売した業界初の産学連携商品。
大王製紙は、2000年代初頭から、看護・介護現場でのおむつ使用者のスキントラブル――尿や便が皮膚に接触することにより生じる皮膚炎(=IAD)に着目。IAD発生リスクを軽減させるおむつを目指し、03年から、看護学における創傷・スキンケア分野の第一人者であった真田弘美氏と共同研究を始めた。そして、軟便・水様便の吸収に優れ、皮膚への便の付着を防ぐパッドを開発、『Sケア 軟便安心パッド』として発売した。大王製紙はこの発売を機に、おむつ利用者のIAD発生リスク軽減とQOL向上を目指す『Sケアシリーズ』を展開し、大学との産学連携商品をラインアップしていった。
今回のリニューアルでは、IAD発生リスクをさらに軽減するため、おむつ内のムレと摩擦の低減に取り組んだ。皮膚炎や内部からの組織損傷は、おむつ内で尿・便にさらされることによって皮膚のバリア機能が低下し、引き起こされる。特に軟便は水分や消化酵素が多く含まれるため、皮膚に付着すると皮膚浸軟(=ふやけ)にもつながる。
『Sケア 軟便安心パッド』は、独自の3層構造(表面シート・ろ過シート・吸収体)を採用し、網目状の表面シートによって目詰まりを起こさずに3層目まで軟便(便・尿)を吸収できるようにしたことで、一般的な尿とりパッドに比べて便の拡散面積を約3分の1に抑えている。今回のリニューアルでは、新たに通気性バックシートを採用し、排泄後でもおむつ内のムレを低減。さらに、肌への摩擦を減らすため、表面シートの網目構造はそのままに、新開孔技術の採用で表面素材の滑らかさを向上させた。
株式会社 紙業タイムス社 「Future10/3号」より