=2024年3月期第2四半期②=
前号に続き、紙パ関連各社の2024年3月期第2四半期決算(23年4~9月)を紹介する。以下、連結ベース、単位100万円、%表記は対前年同期比、〈 〉内は前年同期の実績値。
【製紙】
■大王製紙
〔第2四半期〕
売上高 331,228 (+7.3%)
営業益 7,428 〈△7,265〉
経常益 5,406 〈△7,792〉
当期益 3,926 〈△8,301〉
〔通期予想〕
売上高 670,000 (+3.7%)
営業益 14,000 〈△21,441〉
経常益 8,000 〈△24,050〉
当期益 1,000 〈△34,705〉
○紙・板紙…売上高+5.3%、セグメント利益8,586百万円(前年同期比+12,519百万円)。紙・板紙事業、洋紙事業とも販売量は減少したものの価格改定で金額は増加。板紙・段ボールは、国内需要の鈍化や国際市場の需要減により販売量は減少も、金額はプラス。
○ホーム&パーソナルケア…売上高+11.4%、セグメント損失△2,643百万円(前年同期比+1,909百万円)。衛生用紙は、販売量は横ばいも金額はプラス。海外では、ブラジルやトルコの販売金額は増加したが中国は大幅減。
○その他…売上高△8.6%、セグメント利益+21.2%。
通期予想は、5月公表の業績予想を修正した。修正額(単位100万円)は、売上高△30,000、営業益△4,000、経常益△1,000、当期益△3,000。中国事業が経済低迷などにより悪化している。
■三菱製紙
〔第2四半期〕
売上高 96,703 (△3.6%)
営業益 1,995 〈△435〉
経常益 3,526 (+134.5%)
当期益 1,638 〈△288〉
〔通期予想〕
売上高 200,000 (△4.6%)
営業益 6,000 (+519.6%)
経常益 7,500 (+142.7%)
当期益 4,000 〈△571〉
○機能商品事業…売上高△6.2%、営業利益+38.8%。産業資材関連はバッテリーセパレータなどの販売金額が増加したものの、エアフィルターなどは減少。画像資材関連の販売金額は、インクジェット用紙が増加したが、特殊ドライフィルムレジストは減少。ドイツ事業は数量・金額ともに減少。
○紙素材事業…売上高△0.5%、営業利益+12百万円(前年同期比+1,939百万円)。国内は、販売量は減少も価格改定で金額は増加。輸出は円安もあり販売金額が増加。市販パルプは数量・金額ともに減少。
○その他…売上高△14.1%、営業利益+56.3%。
通期予想は、5月公表の業績予想を修正した。修正額(単位100万円)は、売上高△20,000、経常益+1,000。2Qの業績と今後の動向を踏まえて修正した。当期益は、8月のボイラー事故の復旧費用が確定していないが、経常益が予想を上回る見通しのため据え置いた。
【製紙関連】
■リンテック
〔第2四半期〕
売上高 131,735 (△8.8%)
営業益 3,190 (△67.4%)
経常益 4,299 (△64.5%)
当期益 1,966 (△77.6%)
〔通期予想〕
売上高 275,000 (△3.4%)
営業益 9,000 (△34.8%)
経常益 10,000 (△35.9%)
当期益 5,500 (△52.2%)
○印刷材・産業工材関連…売上高△2.4%、営業損失△776百万円(前年同期比△2,330百万円)。米国での販売減などにより減収。これに加え、国内で主原料価格や物流費が上昇したため損益は赤字。
○電子・光学関連…売上高△23.7%、営業利益△50.8%。大型テレビやスマホ、パソコン向けの需要減により減収。利益面は、生産設備の稼働率低下に伴う操業損失が増加して大幅減益。
○洋紙・加工材関連…売上高△0.9%、営業損失△372百万円(前年同期比+182百万円)。価格改定効果はあったが、販売量の落込みなどにより減収。損益は、原燃料価格や物流費の上昇により赤字。
通期予想は、5月公表の業績予想を修正した。修正額(単位100万円)は、売上高△15,000、営業益△4,500、経常益△3,500、当期益△4,000。印刷材・産業工材、洋紙・加工材で日本、米国、中国の販売量が減少し、電子・工学関連も低迷。秋から回復傾向にあるが、通期では当初予想を下回る見通し。
【紙流通】
■共同紙販ホールディングス
〔第2四半期〕
売上高 8,285 (+3.8%)
営業益 72 (+389.2%)
経常益 90 (+151.6%)
当期益 54 (+254.1%)
〔通期予想〕
売上高 17,100 (+0.4%)
営業益 154 (+0.4%)
経常益 185 (+0.1%)
当期益 105 (+3.7%)
セグメント別の売上高は、洋紙卸売事業が8,249百万円(+4.0%)、物流事業が139百万円(△4.6%)、不動産賃貸事業が54百万円(△3.3%)。
今回の決算について、「上期はそれなりの数字を上げることはできたものの、販売数量全体では対前年比△13.3%となり、一番の問題と捉えている。原燃料価格の上昇や円安の影響から、製紙メーカー各社も一様に厳しい生産状態が続き、紙の価格改定により販売金額は前年比プラスとはなったものの、紙の使用自体は年々減少しており、非常に厳しい状況にある。下期においてもこの価格帯を守りつつ、当初予定通りの結果を迎えたい」(郡司勝美代取社長)としていた。
株式会社 紙業タイムス社 「Future11/27号」より