王子ホールディングスと王子ネピアはこのほど、星野リゾートと共同で紙製ハンドタオルの水平リサイクルを開始した。
王子と星野リゾートは、すでに昨夏から「星野温泉 トンボの湯」で使用済紙コップを回収し、nepiaハンドタオルに再生してきたマテリアルリサイクルの実績がある。今回はこの取組みを発展させ、星野リゾートの4施設でnepiaハンドタオルを含む紙製ハンドタオルを回収、王子ネピアの協力工場でnepiaハンドタオルとして再製品化させる。これにより、「ハンドタオル to ハンドタオル」の水平リサイクルのシステムが確立する。
紙製ハンドタオルは、水を吸っても破れないよう紙に強度を持たせているため溶解性が悪く、また使用後は汚れや臭いの問題もあり、リサイクルが難しい。それに回収ルートもないため、これまでは焼却処分が一般的だった。しかし両社は今回、既存の物流網を活用した回収ルートを構築するとともに、王子ネピアの協力工場で溶解性を向上させ、効率的に繊維分(パルプ)を回収して再生品化させることに成功した。
ハンドタオルの回収を実施するのは、使用済紙製ハンドタオルの排出量が多い、「星のや軽井沢」、「軽井沢ホテルブレストンコート」、「軽井沢エリア 村民食堂」、「リゾナーレ八ヶ岳」。この4施設間にはもともと、日用品や消耗品を納品する㈱ツチハシの定期便が運行されており、ハンドタオルの回収・納品は、同社の協力のもとこの定期便を活用する。
リサイクルの開始に先立ち、1月15日~2月14日に実施したテスト回収では、4施設で回収された使用済紙製ハンドタオルは58.3kgに達した。年間回収量は約700kgの見込みとなり、nepiaハンドタオルに換算すると2,917パック(1パック200枚入り)。再生品化したnepiaハンドタオルは、この4施設で利用する予定。