OSPグループの大阪シーリング印刷はこのほど、レトルト食品などに貼付し、ボイルしても黒くならないサーマルラベル『yudemo』(ユデモ)を発売した。一昨年5月に開発の成功を発表していたが、このほど品質担保と製造体制が整ったことから、発売となったもの。
一般的にサーマル紙は熱で発色するため、高温でボイルすると黒く発色し、印字部の文字が見えなくなる。このため、サーマル紙は加熱には不適合とされていたが、同社はサーマル塗料の開発や耐熱性の向上により、ボイル前と変わらない濃度で印字を読み取れるサーマルラベルを製品化した。
レトルト品や総菜類の製造工程では、食材を袋に詰めてボイルした直後は余熱でサーマルラベルの色が変わるため、冷ましてからラベルを商品に貼る必要がある。温度が下がるまで時間がかかり、その人員も必要となることが、食品メーカーの課題だった。しかし『yudemo』は、95℃のお湯に30分間浸漬しても黒くならずに印字を読み取れるので、ラベル貼付してからボイル殺菌できる。冷ます工程も不要となるため、製造現場の作業効率向上につながる。