大王製紙は、衛生用紙製品の安定供給および中国などアジア向け輸出強化のため、衛生用紙の最新鋭生産設備を増設する。投資額は約200億円で、資金は借入金などにより調達、これにより約4,500t/月の生産能力増強を図る。営業運転開始は2021年9月の予定。
設置場所は、2018年10月に衛生用紙工場として生まれ変わった川之江工場(愛媛県四国中央市)と可児工場(岐阜県可児市)。川之江工場には高速・幅広の抄紙設備を増設し、国際貿易港に隣接する三島工場から供給される、コスト競争力の高いパルプとエネルギーを使用する。可児工場には加工設備を増設し、首都圏から関西圏エリアへフレキシブルに製品供給できる立地を生かす。
大王製紙は、今回の増設によって既存設備を含めた生産バランスを調整し、ティシュ、トイレットペーパー、キッチン製品の全品種を安定供給できる体制を構築する。また、川之江で生産した衛生用紙は海外生産拠点に原反で輸送し、中国を中心としたアジア地区での拡販体制を整える。
ホワイト物流推進で自主行動宣言を発表
また、大王製紙はこのほど、国交省などが提唱する「ホワイト物流」推進運動の趣旨に賛同し、自主行動宣言をホワイト物流推進運動事務局に提出した。
「ホワイト物流」推進運動は、トラックドライバー不足が深刻化する中、ドライバーの働き方改革を進めつつ、トラック輸送の向上や物流効率化のほか、女性や60代以上のドライバーでも働きやすい、より“ホワイト”な労働環境を実現するための運動。国交省、経産省、農水省が、全国の主要企業に参加を呼びかけている。紙パ関連企業では、前号で報じた日本製紙のほか、トーモク、東北旭段ボールなどが自主行動宣言を提出している。大王製紙が宣言で表明した取組み項目は次の通り。
①物流の改善提案と協力
②パレット等の活用
③集荷先や配送先の集約
④船舶や鉄道へのモーダルシフト
⑤燃料サーチャージの導入
⑥保育所の設置
株式会社 紙業タイムス社 「Future10/21号」より