バンダイは、カプセルトイの「ガシャポン」に、中越エコプロダクツが製造する紙パウダー入り成形材料『MAPKA(マプカ)』を使用した紙製カプセル『マプカプセル』を採用する。6月下旬から2製品で導入し、順次、展開を拡大していく。ガシャポン45周年プロジェクトの一環として、吉比化成と共同で開発したもので、これにより脱プラと温室効果ガス削減の取組みを加速させる。
バンダイは現在、年間約1億個のプラスチック製カプセルを供給している。あらゆる業界で脱プラスチックの動きが加速する中、同社としてもこの課題を重視し、ガシャポン史上初となる紙製カプセルを開発するに至った。カプセルの主原料を従来のプラスチック(ポリプロピレン)から、紙パウダー51%以上含有のエコ素材『MAPKA(マプカ)』に置き換えることで、製造から焼却までの過程で排出する温室効果ガスを約30%削減できるようになる。バンダイはこれまでも空カプセルを回収して「エコカプセル」に再生するなど、プラスチック使用量の削減に取り組んできた。今回の『マプカプセル』導入により、この取組みをさらに進める。
『マプカプセル』の材料となる『MAPKA』は、環境経営総合研究所が開発した新素材で、同研究所と中越パルプ工業の合弁会社、中越エコプロダクツが製造している。紙を粉砕して製造した紙パウダー51%以上と、合成樹脂を混合したバイオマス複合素材であり、従来のプラスチックと同等の機能を持つ。プラスチック同様に成形可能なことに加え、食品衛生法への対応や電子レンジでの耐久性など、安全性、機能性の検証も得ていることから、食品トレーや食器、お箸などに活用され、“ポストプラスチック原料”として注目されている(関連記事:本誌通巻1929、1976、1978号)。なお、『MAPKA』(ペレット)を『マプカプセル』の形状にする技術は、バンダイ、吉比化成、三光ライト工業の3社が共同で日本特許出願済。
株式会社 紙業タイムス社 「Future6/27号」より