王子ホールディングスはこのほど、再生医療や創薬に活用できる極微細構造を有する細胞培養基材『CellArray』(セラレイ)の販売を開始した。
「ヒトiPS細胞」を用いた再生医療や創薬の研究では、ヒトiPS細胞由来心筋細胞は生体内の細胞より未成熟なため、生体内の細胞に近づけること(早期成熟化)が求められる。王子HDは、生体内の心筋細胞が“配向している”ことに着目し、ナノサイズの凹凸構造形成技術を応用することにより、細胞を配向させる培養基材を開発。この培養基材でiPS心筋細胞を培養すると、生体内と同様に細胞が配向し、拍動も一方向に揃うことを見いだした。また、配向培養したiPS心筋細胞は、配向していないiPS心筋細胞よりも早期に成熟化することが分かった。
同社では、『セラレイ』の再生医療や創薬への利用を目指し、順天堂大学などとの共同研究も進めている。
株式会社 紙業タイムス社 「Future11/14号」より