日本製紙は、TEMPO酸化CNFシリーズから、水分散タイプ『TC-02X』の乾燥粉体品『Cellenpia(セレンピア)TD-02X』を開発し、このほどサンプル提供を開始する。
日本製紙のTEMPO酸化CNFシリーズは、繊維幅約3nmの超極細CNF。今回開発した『TD-02X』は水への再分散性に優れ、水に再分散するとシングルナノファイバー水分散液として、高透明度、高アスペクト比、チキソ性(静置状態では粘度が高く、攪拌すると下がる性質)などのユニークなレオロジー挙動、および懸濁安定性を発揮、水分散体で提供しているTC-02Xと同様の特性を示す。また、粉体での提供となるので、物流費を大幅に削減できるとともに、保管・保存が容易となり、海外市場への展開も含めて適用範囲が大きく広がることが期待される。
なお日本製紙では、石巻工場でTEMPO酸化CNFを産業用途向けに、江津工場でカルボキシメチル化CNFを食品・化粧品用途向けに、それぞれビジネスベースで生産している。また富士工場では、CNF強化樹脂『セレンピアプラス』を実証生産中で、ヤマハ発動機と連携して部品開発を行うとともに、ユーザーへのサンプル提供を実施中。昨秋からはCNF配合天然ゴムの『セレンピアエラス』のサンプル供給体制も整えており、ここに『TD-02X』を加えることで、『セレンピア』シリーズの拡販を目指す。
株式会社 紙業タイムス社 「Future5/22号」より