王子ホールディングスはこのほど、セルロースナノファイバー(=CNF)の透明連続シートの生産設備を導入することを決めた。稼働は2017年度後半で、年産約25万㎡からスタートし、将来的には100万㎡まで拡大する予定。
同社は、太さ約3~4ナノメートルの超極細CNFを用いて2013年、世界で初めて透明連続シート製造に成功して以降、製造方法の改良を重ね、現在では木質原料(紙)でありながらガラス並みの透明度を持つ高機能連続シート(写真)の製造が可能となった。
王子が確立した、CNFから連続シートを製造する技術は、同社しか実現していない独自技術。製紙各社がそれぞれのスタンスでCNFの用途開発を活発化させる中、「日本はもちろん世界のCNF研究開発をリードするレベル」と、自信をのぞかせている。
これまでは、透明連続シートのサンプル供給を実施しながら用途開発を進めてきたが、各方面からのサンプル需要の高まりを受け、今回新たに生産設備を導入し提供規模を拡大するもの。同時に、事業化に向けて量産技術を確立していく。同社は、「この生産設備の導入によって、さらに幅広い分野での事業化を加速し、紙以外の新事業の創出を目指す」と抱負を述べている。
株式会社 紙業タイムス社 「Future11/14号」より