米国による中国製コート紙反ダンピング関税及び相殺関税措置、並びに欧州側の同様な動きで2010年中国製コート紙輸出量は大幅な減少を示した。中国メーカーは輸出先を南米等に求める努力をしてものの米国や欧州向けの数量減をカバーするまでに至っていない。最近の中国コート紙新増設はスウィングマシンの形態をとっており王子南通や山東華泰はコート紙及び上質紙の生産が可能。2010年コート紙輸出減とは対照に上質紙の輸出が2009年比20万㌧、40%増加している。特に中東向けは148%急増した。スウィングマシンによる上質紙生産と上質紙輸出の増加が現状の打開策となるには下記2点問題がある。①大型抄紙機での上質紙生産は小型抄紙機に比べ非経済的で競争力が劣る。②中東市場はダンピング市場で価格水準も低い。これら2点は上質紙販売上で利益率に影響を与え、短期的に有効でも長期的な解決とはならない。
3月10日付け RISIから抜粋
出典:日本紙類輸出組合・日本紙類輸入組合 ペーパー・トレード ブログ