尼崎工場でガスタービン発電設備が完成
レンゴーはこのほど、尼崎工場(兵庫県尼崎市)にガスタービン発電設備を新設した。
尼崎工場は、レンゴー製紙部門の西日本の拠点工場として、段ボール原紙などの板紙を生産している。既存発電設備が老朽化したため、設備を更新したもの。新設備はガスタービンと廃熱ボイラで構成されており、発電と同時に廃熱を利用し、蒸気として有効活用するガスコージェネレーションシステムを採用。新設備の稼働により、工場で使用する電力の約8割を自家発電で賄える体制となるほか、抄紙機の稼働状況に左右されない柔軟な運転が可能となり、エネルギー効率がアップする。これにより、年間CO2排出量が約3,800t削減される見込み。
<新設備の概要>
〔設備名〕5号ガスタービン発電設備、6号ガスタービン発電設備
〔メーカー〕川崎重工業
〔定格発電出力〕15.78MW(7.89MW×2基)
〔蒸気量〕70t/h(35t/h×2基)
〔CO2削減量〕約3,800t-CO2/年
八潮工場に木質チップのバイオマスボイラ発電設備
またレンゴーは、八潮工場(埼玉県八潮市)に木質チップバイオマスボイラ発電設備を新設した。
八潮工場は、段ボール原紙をはじめ年間約85万tの板紙を生産する、日本最大の板紙製紙工場。完成した新設備は、従来、都市ガス中心だったボイラ燃料の多様化を図るとともに、CO2排出量を削減するために建設された。建築廃材由来の木質チップを主燃料とし、工場で必要な電力の約2割を賄う。
同工場では、早くより重油からクリーンエネルギーである都市ガスへの燃料転換を進めるとともに、バイオマス資源を有効活用し、CO2排出量の削減に取り組んできた。今回の木質チップバイオマスボイラ発電設備の完成により、さらに年間約6万5,000tのCO2排出量削減が図れる見込み。
<新設備の概要>
〔設備名〕木質チップバイオマスボイラ発電設備(流動層炉)
〔メーカー〕㈱タクマ
〔燃料〕木質チップ、PKS(Palm kernel Shell:パーム油搾油かす)
〔定格発電出力〕9,000kW
〔蒸気量〕70t/h
〔CO2削減〕約6万5,000t-CO2/年
株式会社 紙業タイムス社 「Future3/28号」より